私はブランキーのCDは1枚も持っていないし、ライブも98年のフジロックで観たことがあるだけなので、全くファンとは言えないのだけど、解散すると聞いて、思わず観に行ってしまいました。
会場のフェイズの周辺には、デカいバイクが何台も置いてあるは、ゴツくて恐そうな兄ちゃん達がたむろしているは、知らない人が見たら矢沢永吉のライブ(笑)かと思うような光景でしたが、やはり最後のツアーということで、なにか切迫した空気がファンの間にも流れていました。当日券のために並んでいる人も結構いた。
4ビートのスリリングなSEの中、メンバー3人が登場すると、悲鳴と歓声が混じったどよめきが観客から起こります。しかし、メンバーは至ってマイペース。MCもほとんど無しで、次々と曲を演奏していきますが、サウンドのテンションは非常に高い。
特にドラムの中村達也は最高にカッコよかった。スカパラでの助っ人も良かったけど、BJCでの演奏だとまさに本領発揮という感じ。決してテクニカルなドラマーではないけれど、独特な揺れのあるビートがベンジーのギターとよく合うのだ。スネアの一発一発に魂がこもっている。
ベンジーのギターも技術的には大したことはないが、生と死の狭間を行き交うようなその音色とフレージングは、非常に美しい。椎名林檎が夢中になるのもよく分かるよ。
ともかく、メンバー3人のグルーヴの揺れ方がぴったりと一致した演奏は、とても解散するバンドとは思えない。バンドとしてのアンサンブルは頂点の状態にあるのではないだろうか?
ベンジーと中村達也がたまに視線を合わせながら演奏しているのに対し、ベースの照井だけはメンバーを見ることもなく、一人黙々と弾いていました。その辺の人間関係に解散の原因があるのでしょうか?
ツアーラストの横浜アリーナ2DAYSに加え、フジロック出演の噂もある彼ら。3ピースのロックバンドとしての最上の演奏は、解散してしまう前に体験する価値ありです。