青空でこそ、ビールもすすむというものです(笑)。
浅井健一の新バンド。AJICOのドラムと元ヒートウェーブのベースとのトリオでしたが、曲によって女性キーボードが加わっていました。あの女性はTHE
SHERBETSの人のように見えたのですが、どうなんでしょう?
歌詞の世界がブランキーと違うのは分かるんだけど、THE SHERBETSとの違いは俺にはよく分からん。
今年の俺的フジロック・ニューカマーNo.1!
ボーカル&キーボードの女性とドラム、ベース(曲によってギター)の3人組で、ドリーミィで優しいメロディと電子ノイズが共存する音世界は、実に独特。なんの予備知識もなくライブを観たけど、完全に引き込まれてしまいました。
また、観客が飛ばすシャボン玉が会場の空気に絶妙にマッチ。
ホワイトステージはなんと大入り満員。前説でできたブライアン・バートン・ルイスが「世界一の人力トランスバンド!」と紹介していましたが、フジロッカーにはROVOのライブの凄さは完全に定着しているようですな。
それにしても、バイオリンの勝井祐二は、今年のフジロックで一番活躍したミュージシャンではないでしょうか? ROVO、UA、渋さ知らズオーケストラに加え、1日目のシアターブルックにも参加していたらしい。
名前だけは以前から知っていたバンドけど、まさかフジロックで観ることができるとは思わなかった。新しくオレンジコートが出来たおかげですな。
ドラムとベースの2人組というミニマルな編成で、フリージャズというかノイズ系というか、文字で表現すると「1、2、3、4、ジャカジャカ、ドカドカドカ、アー!」で1曲終わり、みたいな(笑)。
中盤から渋さ知らズオーケストラのサックスとギターが加わり、フリー・インプロヴィゼーションを展開。人智を超えた人達です。
オレンジから戻って来たら、まだホワイトは満員状態。ヨ・ラ・テンゴ、こんなに人気あったのか?
サン・ラ・アーケストラからホーンが2人ゲストで加わっていましたが、バリバリと盛り上げるわけではなく、やはりゆる〜い感じの演奏。この辺の人脈の繋がりは興味深いですね。
私はフジロックでくるりを観るのは初めて。岸田君の喉の調子が悪かったみたいですが、演奏は絶好調。以前新潟フェイズで観た時とは、別のバンドのように切れ味が良かった。特にドラムの外人がスゴ腕で、シンバルを曲毎に交換したり、芸が細かい。そして、コーラスをする時は、左手でマイクを持って、右手でドラムを叩き続ける(笑)。
岸田君はMCで「雨降って最悪だと思ったけど、アンダーワールドでみんなが踊る姿を見て、何かもらいました。ありがとう。」と言ってました。そんな台詞が出るのもフジロックならでは。
サン・ラ本人は亡くなったのに、バンドは続いているとは知らなかった。ジョージ・クリントン抜きのP-FUNKみたいなものだけど、サン・ラの遺志は確実に生きているようでした。
さすがは宇宙人(マジ)のサン・ラのバンドらしく、メンバーはP-FUNKかE,W&Fかというキンキラキンの衣装で登場。ステージ上は異空間と化してます。
演奏は一聴すると、普通のスウィング・ジャズのようだけど、何かが違う。ネジくれている。スターウォーズ1作目の、宇宙人の集まるバーでバンドが演奏するシーンを思い出しましたよ。
オレンジからヘブンへ向かう 通路のミラーボール。 |
アヴァロン・フィールドの屋台街 |
ステージ後ろにスクリーン、中央に巨大風船と、視覚的な効果も十分だったオーブのライブ。アポロ打ち上げや宇宙ステーションの映像をバックに、スペーシーなテクノが展開、と思ったら、突然フレンチカンカンの女性ダンサーが7人登場して踊り出すなど、全く意味不明な演出(笑)。
PAエンジニアは見覚えのある白人女性(多分過去にもフジロックに来ている)でしたが、スライ&ロビーをも上回る異常な低音の出し方で、近くに木造の小屋でもあったら、多分倒壊していただろう(笑)。色々な意味で過剰なライブでした。
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スティーブ・ウィンウッド、コステロと大人のロックが続いたグリーンのトリは、なぜかブリストルの雄マッシブ・アタック。音楽的にはホワイトに出るべきだけど、なぜグリーンなのか?
なんと、Dr,B,G,Keyにバイオリンという生バンド編成で、シーケンスの使用はほとんどなし。曲ごとにボーカリストが入れ替わりますが、音の質感はマッシブ・アタックのダビーな世界そのもの。
ステージ後ろのスクリーンが非常に効果的に使われており、ビジュアルの使い方に関してはTOMATOを超えたかもしれません。開演前のスクリーンには現在時刻が表示され、演奏中は「イラクに大量破壊兵器は本当に存在したのか?」とか、世界各国の軍事費、日本の最新ニュース(多分、出典は地元の新潟日報)などが、マトリックス状態で映し出されます。しかも日本語。
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コンサートというのは、得てして現実を忘れてストレスを発散する場になってしまったりしますが、「反戦」という大きなテーマを掲げるマッシブ・アタックは、「このステージと世界の現実は密接に繋がっている」ということを表現したかったのでしょう。
フジロック自体にも、「ゴミのリサイクルや他人との助け合いなど、このフェスの雰囲気を日常に持ち帰ろう」というコンセプトがあったはず。3日間の最後を飾るマッシブ・アタックの演奏は、フジロックから観客への強烈なメッセージだったのだと思います。