FUJI ROCK FESTIVAL '04

2004年7月30日(金)


BRITISH SEA POWER (GREEN STAGE)

 まずはグリーンステージにて、今年のフジロック開幕の瞬間に立ち会います。現れたMCは、おなじみのスマイリー氏とポーキー氏。モリッシーのキャンセルについて改めて告知するとともに、これまたドタキャンの疑いがあるコートニー・ラブについても、「日本行きの飛行機には乗った」と最新情報が(笑)。
 BRITISH SEA POWERの演奏が始まったところで、ホワイトステージへ移動。


この時点で、既に雲行きがちょっと怪しい。


LITTLE TEMPO (WHITE STAGE)

 昨年のオープニングに引き続き、まずはAFRAが登場。テレビCMでもお馴染みのあのヒューマン・ビートボックスを披露します。昨年のホワイトのトップはスチャダラパーだったので、「ヒップホップ繋がり」でのAFRAの起用なのかと思ったのですが、LITTLE TEMPOとは音楽的にはあまり関係なさそうなので、今年の登場はちょっと謎。
 肝心のLITTLE TEMPOは、PAミキサーにDRY&HEAVY内田直之、サックスに元SILENT POETS春野高広(正式メンバーなのかしら?)を迎えて、青空の下にふさわしいカラっとした演奏。スティール・パンの柔らかな音が心地よかった。


超絶ビート・ボックスAFRA


今や日本一のダブ職人、内田直之


大編成のLITTLE TEMPO


観客の中に中村達也を発見!


PE'Z (GREEN STAGE)

 今まで何度か観るチャンスを逃していたので、今回是非観たかったのがこのバンド。
 Tp,Sax,Key,B,Drの5人組で、クラブ世代ならでのジャズで暴れてくれました。特にキーボードの人の動きはかなり怪しい。フジロックではもちろん大ウケですが、正統派のジャズフェスに出演した時にどんな反応が起こるのか、見てみたいな。


今年もメシは旨かったが・・・(OASISにて)

 フジロックといえば、ライブと同じくらい(笑)楽しみなのがメシですが、今年はエスニック系にはちょっと食傷ぎみ。というのも、2週間前のWIRE04同じようなテイストの出店(というか、全く同じ店もあった)で、しかも2日間の開催。エスニック・カレー系はちょっと食べ飽きていたのが正直なところでした。といいつつ、食べまくりましたが(笑)。


牛タンの利休を発見! 仙台では有名なお店です。


牛タン焼き700円。厚いのに柔らかくてウマイ!

THE BLIND BOYS OF ALABAMA (GREEN STAGE)

 その名前の通り、盲目のシンガー数人を含むゴスペル・グループ。スティービー・ワンダーもそうだけど、盲目という障害のおかげで、彼等は音に関する感覚が研ぎ澄まされているのだろう。かなりの高齢のはずだけど、歌声は非常にパワフル。
 途中で盲目のシンガー1人がステージから降りてきて、手を引かれながら場内を練り歩き、観客と触れ合いましたが、音楽を通したコミュニケーションの姿にちょっと感動。


ザ・ルースターズ (GREEN STAGE)

 大江慎也を含むオリジナル・メンバーによる奇跡の再結成ラストライブ。全体的に出演者が地味目の今年のフジでは、最大の事件でしょうね。
 と言っても、恥ずかしながら、私はルースターズの曲は全然聴いたことないし、なぜ大江慎也が音楽活動を長い間休止することになったのかも、詳しくは知らない。そういう意味では、ニュートラルな気持ちでライブを観ることができたと思う。
 見た目の感想から言えば、やはり大江慎也は尋常ではない目つきだったなと思う。結構咳きこんでいたし、体調も万全ではなかったのだろう。他のメンバーはそんな大江慎也を見守りながら演奏している感じでした。特にドラムの池畑潤二のあんな神妙な表情は初めて見たような気がする。
 同じラストライブでも、2000年のブランキー・ジェット・シティーとは全く違うポジティブなライブでした。


Polaris (FIELD OF HEAVEN)

 フィッシュマンズ途中脱退したベーシスト柏原譲を中心としたバンド。1曲目はギタリストがドラムを叩き、ツイン・ドラムROVOのようなポリリズム・トランス系の演奏が始まって驚きましたが、ボーカルが入ると、浮遊するメロディー反復するリズムが心地よい。サポートでクラムボン原田郁子がキーボードで参加しており、あの独特のピアノとコーラスが加わって夢心地度はさらにアップ。
 苗場の夕暮れにはピッタリの演奏だったのですが、考えてみると「浮遊するメロディー」と「反復するリズム」って、フィッシュマンズそのものだよなぁ。

 確かにPolarisはいいバンドだ。しかし、フィッシュマンズはもっと、もっといいバンドだった。この時間、この景色の中で“ナイトクルージング”や“long season”を聴けたなら、どんなに気持ちがいいだろう。佐藤伸治、あんた、死ぬのが早すぎるよ・・・


X-ECUTIONERS (WHITE STAGE)

 椎名林檎東京事変では入場制限がかかるかもしれないと予想していたので、1つ前のアクトからホワイトステージへ。
 そんな事情だったので、X-ECUSIONERS自体には全然期待していなかったのだけど、実際に観てみて驚愕。3人のバトルDJコスりまくり超絶早技ミックス・プレイ。背中から手を回してスクラッチしたり、ぐるっと1回転したり、1人だけでもスゴイのに3人の技が組み合わせられると、まるでサーカス状態
 いいもん見せてもらったけど、これは「芸術」じゃなくて「曲芸」だわなぁ。


東京事変 (WHITE STAGE)

 椎名林檎の新バンド。本音としては、それほど期待していなかったんだよね。ソロの曲は演らずに、バンドとしての新曲だけ演って、観客はシーンと静まるんじゃないかと。女性アーティストは、結婚・出産すると一般的にはパワーが低下するものだと思うし、突然のバンド結成というのも、なんか創造活動に煮詰まってしまっているのかな、と思ってました。
 ところが。ステージに登場した椎名林檎は、やはり椎名林檎であった。衣装立ち振る舞い歌唱、全てが完璧な自己演出。特に歌は上手い。いや、上手いというか、CDで聴ける椎名林檎の声そのものなので、演じきっているという表現の方がいいだろう。そういう意味では、ライブ感には乏しいかもしれないけど、観客全体を相手にするのではなく、1対1のコミュニケーションを強要されるような感じは、プリンスのライブに近いかもしれない。
 バンドはプロデューサーの亀田誠治をはじめとして強者揃いで、演奏力はなかなかのもの。ソロ時代の代表曲も東京事変仕様の新しいアレンジで聴かせてくれました。私の満足度はかなり高かったのですが、やっぱり東京事変というバンドではなく、椎名林檎のライブだったという気がします。


LOU REED (GREEN STAGE)

 ホワイトからグリーンに帰ってくると、ルーおじさんがまったりと演奏中。いやいや、演奏自体に緊張感はあるし、「俺がアメリカ大統領になったら」とか歌っていたので、風刺の効いた鋭い歌詞なんだろうけど、英語が分からないと正直つらい。
 雨の中、寒さに耐えられなくなってきたので、暖を求めて(というのもどうか思うが)ホワイトのBASEMENT JAXXへ移動。


BASEMENT JAXX (WHITE STAGE)

 寒さに震えながらホワイトに来てみたらそりゃ驚いたよ。ちょっと踊って体を温めるどころか、アゲアゲ異常な盛り上がり
 彼等はDJ2人組ですが、1人はギターを弾いて、ドラムとパーカションがサポート、さらに男女5人くらいのボーカル入り乱れるという、カーニバル状態のステージング。スクリーンの映像も絶好調、やり過ぎなくらいの盛り上げ方で、十分体を温めてもらいました(笑)。大満足です。



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