FUJI ROCK FESTIVAL '06

2006年7月29日(土)


2日目も長靴で

 朝の苗場は雨は降っていないものの、山にはどんよりとかかっています。昨日の雨で場内はぬかるみ状態のままなので、皆さん、さすがに長靴着用率が高いですね。


WOLFMOTHER (GREEN STAGE)

 バンド登場前から、最前ブロックは結構な人だかり。「ウルフマザーって人気あるんだなぁ?」と感心していました。
 が、 お馴染みのMC、ポーキー氏スマイリー氏が観客に「今年フジロック初めての人手を挙げて!」と問いかけると、おいおい、最前ブロックの連中はみんな手を挙げてるぞ(笑)。まさか、この連中は、このまま夜のレッチリまで場所取りするつもりでは!?と、97年フジロック悪夢が頭をよぎりましたよ・・・。
 さてさて、主役のウルフマザーは、オーストラリア出身の新人バンドだそうですが、ギターリフで押しまくるツェッペリン・タイプの演奏で、最近のバンドにしては珍しいスタイル。アフロ(?)な髪型もオールドタイプで、オヤジには好感触だぞ(笑)。


串焼き(OASIS)

 フジロックに来ると、なぜか牛串が食いたくなるんだよな〜。
 というわけで、オアシスで「和牛霜降ステーキ串」を発見。900円もするし、期待して注文したが・・・。写真のとおり、焼き鳥並みに肉が小さいし、しかも固い。これで900円は詐欺だ。
 2006年のワースト・フードに決定。

 牛串のあまりのヒドさに納得できず、連続して「妻有名物ハーブ豚特大ロース串焼き600円にチャレンジ。う〜ん、確かに肉は大きいのだが、既製品のタレをかけただけで、味には何の工夫もなし。イマイチです。


FIELDS (RED MARQUEE)

 串焼きの不満は、ライブにぶつけるしかない(笑)。
 マイ・ブラッディ・バレンタインフィードバック・ギターネオアコメロディーを合体したサウンド、と言ったらホメ過ぎか。少々線が細い気がするけど、割といいバンドでした。


越後もち豚ステーキ丼(OASIS)

 再びオアシスに戻り、またもメシ(笑)。
 オアシス入り口のもち豚屋さんは、いつも異常に行列しているので、エリアの一番奥にあるこの店へ。ここのもち豚丼も十分ウマいっすよ。

 もち豚丼を食ってる間、オアシス内パープル・ヘイズではTHE HIVESトーク・ライブが行われていました。どんなバンドか知らんけど(笑)。


MO'SOME TONEBENDER (GREEN STAGE)

 彼らのライブを初めて観た時は、ズボンズ前座だったのですが、グリーンに登場とは随分と大きな存在になったもんだ。
 ボーカルの人は「もうバンドをやめようと思っていた時期、97年のフジロックを観に行って、もう一度バンドを組もうと思った。そのメンバーと今日まで10年一緒に演ってきた」と話していました。
 フジロック人生変えられた男がここにも1人。


ザ・キングトーンズ featuring ジミー入枝&ナンシー (GREEN STAGE)

 内田正人さんもかなりの御高齢だから、元気なうちに一度は生で観ておきたかった。「煙が目にしみる」などのソウル・クラシックスを、素晴らしいハーモニーで聴かせてもらって、胸が熱くなりました。
 ロックは基本的には若者の音楽だけど、30〜40代のオッサンの時代にも、50〜60代のジイサンの時代にも素晴らしい音楽は沢山あった。そんな音楽を次の世代に繋げていくのもフジロック重要な役割だろう。サマソニにはそんな役目は無理。
 黒人セキュリティ仕事を忘れてステージに見とれていたのが印象的。2人の黒人の間では多分こんな会話が交わされていたはず。
「ヘイ、メ〜ン。仕事忘れてステージ見てるんじゃねーよ。」
「オー、ブラザー! このジャップのジイサン達のドゥワップ、最高だろ! 故郷にはこんなバンドいないぜ!」


ドラゴンドラ、初体験

 この2日目は、観たいバンドが割と少なかったので、ついにドラゴンドラに乗ってしまいました。iLL(元スーパーカーナカコー)と勝井祐二のセッションというスゴそうなアクトもあるし。
 iLL with 勝井祐二15時からなので、14時にはゴンドラに乗るつもりだったのですが、キングトーンズの素晴らしさについつい時間オーバー。ゴンドラ乗り場に急ぐとすごい行列で、これはナカコー効果なのか? 普段はこんなに行列してないよね???

 ゴンドラ乗り場への行列には14時30分から並んで45分ほどかかりました。この間に本格的に雨が降り始めてしまいました。
 山頂に着く頃にはiLL with 勝井祐二は終わっているはずの時間になっていますが、一度は「DAY DREAMING」を経験してくるのもいいだろうということで、いざ山頂へ。
 上空から見るフジの会場は新鮮な眺めです。


ホワイトステージとアヴァロン


グリーンステージ

 ゴンドラの所要時間は約20分清津川真っ青な流れや、切り立った崖を越えていく。こんな場所によくゴンドラを建設したもんだなぁと、西武グループ資金力を思い知らされました(笑)。山頂に近づくと、だんだん雨が強くなってきます。

 ようやくたどり着いた「DAY DREAMING」ですが、閑散としていました。もっとも、16時までのエリアに15時30分頃に到着したんだから、当たり前か。雨が降っていることを考えると、意外とお客さんがいたと言ってもいいかもしれない。

 DJブースの中では、男性DJ(?)がアンビエントなサウンドをプレイ中。あれがナカコーだったのかは、よく分からなかった。
 結局、山頂にいたのは30分足らずで、すぐに下りのゴンドラで戻ってしまいました。初日に続いて、またも行列で時間を無駄にしてしまった・・・。


THE LIKE (RED MARQUEE)

 アメリカの20歳そこそこ女性バンド。プロモ・ビデオを見たら3人とも可愛かった(笑)という理由で観に行ったのですが、なんとベーシストミッチェル・フルームの娘なんですね。確かに演奏は非常にしっかりして、ルックスに騙されてはいけない。
 特にドラマーは、キック、スネア、フロアタムのみという最低限のセットなのに、多彩なフレーズを叩き出していて、タイム感も抜群に良い。アメリカンな音のデカさと音の隙間の両方を感じさせるドラミングは非常に気持ち良かった。
 この後、オアシスでインタビューを受けている姿も目撃。


KEN YOKOYAMA (GREEN STAGE)

 ハイ・スタンダードギタリストのソロ。バックのメンバーはなぜか外人でした。ハイ・スタンダードって解散したのかどうか知らないけど、1999年のフジでは結構盛り上がったよなぁ、と懐かしく感じました。
 しかし、演奏は全然面白くない。「パンク・ロックやろうぜー!!」って叫んでたけど、自分の音楽を自らカテゴライズしてしまうなんて、二流ミュージシャンの証拠だと思う。
 2005年の集中豪雨に比べればマシだけど、かなり雨が強くなってきました。


トイレも大行列

 この日は一度もホワイトやヘブン方面に行かずに過ごしたのですが、グリーンステージにいると不便なのがトイレ。行列30〜40分はかかるので、尿意を感じる前に行列に並び始めないと危険なのだ(笑)。結局、待ちきれずに立ちションしてしまう男が続出。
 男性専用トイレは回転が速いのでまだいいが、女性はホントに大変だと思う。グリーン方面にはもう1カ所トイレエリアがほしいです。


プルコギ丼&アジア麺(OASIS)

 電気グルーヴから始まるクライマックスに向けて、早めに夕飯。プルコギ丼では足らず、アジア麺も食ってしまった。しかし、アジア麺ってアバウトなネーミングだな(笑)。この手のエスニック系のメシはハズレなし。安定してウマいです。


SONIC YOUTH (GREEN STAGE)

 ソニック・ユースも結構常連。フジのオルタナティブな音楽性を代表するバンドと言えるだろう。ギターのノイズ不協和音を基調としたサウンドに変化はなく、相変わらず気持ちいい。
 しかし、電気グルーブから先はトイレ・タイムが確保できそうにないので、泣く泣くまたトイレの行列に並んでしまいした。少しでも行列時間を短くするためには、演奏中に並ぶしかないのだ。このトイレ問題、なんとかならないですかね〜。


電気グルーヴ (GREEN STAGE)

 ついに電気グリーンステージに登場する時が来た。しかも、レッチリの前という、第1回フジロックの経験者にとっては、たまらない出番。
 しかし、へそ曲がりな彼らは、WIREでも2000年のフジでも、わざと盛り上がりポイントを外して、寸止めのまま観客を放置する意地悪プレイがお好き。ヘッドライナーのレッチリに向けて、若僧達のボルテージがどんどん上がっていくこの時間帯では、何かやらかすのではないかと正直不安でした。
 しかし、“N.O.”“Shangri-La”と合唱チューン2連発で始まったステージは、完全フェス・モード。音源のミックスはサポートのKAGAMIに任せて、卓球もマイクを持って、フロントで歌いまくる。ここまで卓球が歌うライブは、「イルボン2000」のツアー以来だ。
 機材のセッティングはかなりシンプルなようで、KAGAMIラップトップの音源をDJミキサーでコントロールしているみたい。卓球の前にはドラムパッドがセットされているだけで、気の向くままにドラム・サンプルをリアルタイムで加えていました。
 レゲエ調の“Volcanic Drumbeats”にはズッコケそうになりましたが(笑)、“かっこいいジャンパー”“あすなろサンシャイン”とキラーチューンを連発。しかし、「あすなろサンシャイン」って、電気を知らない若者には、全く意味不明な歌詞だな。いや、俺にも意味は分からんが(笑)。
 そして、ついに来た!“富士山”! フジロックでこの曲を演らないでどうする? 10年ぶりに瀧は富士山着ぐるみで登場。97年のフジロックの時よりも着ぐるみが一回り立派になっている(笑)。卓球が叫ぶ「フジサーン!フジサーン!」はいつの間にか「フジロック!フジロック!」に変わっている。卓球よ、アンタがそんなサービス精神を発揮してくれるなんて、俺は嬉しいよ。
 最後の曲は“”。ボーカルはハードディスク出しだったけど、苗場の山の中で聴くと抜群に気持ちいい。
 終わってみれば、新曲も無く、新機軸は全く無かったけど、フェスティバル・モードの電気グルーヴは圧勝でした。終演後、レッチリ・ファンの若僧が「意外なところでアガッたなぁ!」と満足げだったのが印象的。
 電気グルーヴ終了と同時に、レッチリ・ファンがステージ前方に押しかけてくる。人波に逆行して、グリーン後方の陣地に退散。


KULA SHAKER (RED MARQUEE)

 電気グルーヴ大満足して、陣地でマッタリと一休み。ん?待てよ。おいおい、レッドクーラ・シェイカーが演ってるんだよ!
 慌ててオアシスまで来ると“GRATEFUL WHEN YOU'RE DEAD”の「パッパッパー」が聞こえてくる。全力疾走でレッド・マーキーへ。フジであんなに本気で走ったのは初めてだ(笑)。
 レッド・マーキーは超満員。フジロックに絶対出演するべきバンドだったのに、なぜか解散してしまったアイツらがついに帰ってきたのだ。
 キーボード以外はオリジナルメンバーでの再結成ですが、なんだかドラムが弱くなった感じがする。手数が減ってシンプルなドラミングになっていて、グルーヴ感不足気味。しかし、“HUSH”“TATTVA”と楽曲は最高。THE JEEVASでもクーラの曲は演っていたけど、やっぱりクリスピアン思いっきりクーラ・シェイカーの曲を歌いたかったんだろうなぁ。
 再結成後の新曲もちゃんと披露し、次の曲は・・・“HEY DUDE”のベースラインが鳴り響く。この瞬間の観客の熱狂!! 歓声が凄くて演奏が聞こえませんよ(笑)。
 必殺のグルーヴ・チューンHEY DUDE”の魔力は10年経っても健在。この曲の存在価値だけでも、クーラ・シェイカーの名前はロックの歴史に永遠に残るだろう。
 熱狂の後は“GOVINDA”でインド世界へ。この曲で締めるあたり、再結成の本気度が分かるというものです。


RED HOT CHILI PEPPERS (GREEN STAGE)

 クーラ・シェイカーで年甲斐もなく跳びすぎて(笑)、重たい体でグリーンに帰ってくると、既にレッチリは演奏中。通路まで人でいっぱいで、レッチリの人気は本当に恐ろしい。レッチリだけを観にきている若僧共もかなりの数がいたのだろう。
 しかし、音が意外と小さいと思いました。もしかすると、最前部の観客がヒートアップし過ぎるのを心配して、音量を押さえ気味にしたのかな?
 ステージには4人の楽器がセットしてあるだけで、バックの垂れ幕とか装飾は何も無し。ステージサイドのスクリーンは使うけど、ヘッドライナーとは思えないほど、演出はシンプル
 巨大なステージなのに、メンバー4人がドラムの周りに集まって、アイコンタクトをとりながら演奏する姿は、まるでアマチュアスタジオで練習しているかのよう。紆余曲折を経た4人の絆に感動する。
 そして、雨のフジロック名物「観客から立ち上る水蒸気」がステージの前をのように流れていきます。
 1989年の「母乳」でレッチリを知ったのが悪かったのか、私の中ではレッチリは「永遠の色物バンド(笑)」なので、「世界最高のロックバンド」なんて呼ばれるのは、どうも違和感があるのだが、バンドの演奏力は本当に圧倒的。特にジョンギターコーラスが素晴らしい。こんなマニアックな音楽性を持つバンドが今やロック界のメインストリームになってしまったと思うと、隔世の感あり。


帰りは大渋滞

 レッチリ終了後、駐車場に戻ると、ご覧の通りの大渋滞。1日目も3日目もこんな渋滞は発生しなかったので、いかに土曜日のレッチリだけ観に来たお客さんが多かったか分かります。
 ステージのメンテナンスの仕事のために、こんな時間に入場してくる車もいますが、すれ違いもままならず、バイク組が次々隙間に突っ込んでくるので、状況は悪化するばかり。結局、勝手に私が交通整理をしてしまいました(笑)。皆さん、私を係員だと勘違いしたみたいで、素直に言うことをきいてくれましたが、車が流れだしたら、自分の車に戻って走り去る姿を見て、きっと唖然としたことと思います(笑)。
 結局、駐車場脱出まで1時間以上かかりました。ホント、フジロックにとってレッチリ鬼門ですよ・・・。


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