Thank you! 音楽と髭達

2001年8月15日 新潟市産業振興センター


新潟市内でロック・フェス?

 新潟県民以外の方には「?」なイベント名ですが、新潟ローカルの音楽番組で「音楽と髭」というのがありまして、その番組主催のイベントです。毎年、国内の若手バンドを集めてライブを企画してくれているのですが、今年はスペシャル版として、超豪華なメンバーを集めてくれました。ROCK IN JAPAN FES あたりにも全く負けてないでしょう。
 会場の新潟市産業振興センターは、新潟県内では最大のキャパの会場ですが、ここでスタンディングのライブというのはおそらく初めて。お客さんは1万人は入っていたと思います。
 主催者側はフジロックをはじめとする「フェスティバル」を意識していたようで、リストバンド制にして会場から出入り自由にし、会場前の広場には屋台や物販のテントも立ち並ぶなど、ブロック指定以外は規制の少ないイベントでした。しかし、出演順が公表されていなかったため、「とりあえず場所取り」的な人も多く、適当に休憩しながらフェスを楽しむという雰囲気ではなかったですね。せっかくのリストバンド制はあまり生かされていなかったようでした。普通のコンサートの感覚で来ているお客さんが多かったせいもあるでしょうけどね。


出演バンドは超豪華

 ライブは16:30スタートということでしたが、16時過ぎに会場に入ると、鳥肌実の「演説」が始まっていました。私は全然この人のことを知らなくて、セットチェンジの合間に出てきてバンドの解説をしてくれるお笑い芸人だと思っていたのですが、「ゲスト解説」ではなく「ゲスト演説」だったのだなぁ(笑)。
 「鳥肌実、42歳、厄年」だそうですが、右翼、国粋主義的な危ないネタを連発する芸風で、どこまでがシャレでどこまでが本気なのか分からないところがすごい。旧日本軍に関してはかなりの知識を持っているらしい(映画「パールハーバー」に激怒したそうな)ので、単なる芸ではないのだろう。「公安にマークされている」というのも本当かも?という危なさでした。刺されないように気をつけてほしいものです。

THEE MICHELLE GUN ELEPHANT

 さて、出演順が公表されていなかったこのイベント、「ミッシェルとドラゴン・アッシュのどっちがトリだろう?」と思っていたのですが、なんとミッシェルがトップで出てきました。確かにこの2バンドのどっちが格が上かというのは難しい問題、というか、流血のトラブルになりかねない(笑)。
 SEにのってメンバーが登場すると、会場中「まさか?」という感じで大歓声が起こります。50分くらいの濃縮されたステージは“SMOKIN' BILLY”“GT400”“BIRD MEN”など有名曲の連発で、盛り上がりました。なんと、今回はレゲエ・ダブ風のアレンジも導入。まさか、ミッシェルのライブで裏打ちのカッティングと深いリバーブのかかったスネアが聴けるとは!?
 7月に新潟フェイズで観た時にも感じたことですが、去年まではアベのギターが全体をリードしている感じがしていたのですが、今年はクハラのドラムの存在感が格段にアップ。BLANKEY JET CITY における中村達也のポジションに近くなった。実際、BLANKEY 無き今、彼らが日本のロックの牽引車であることは確かでしょう。この4人ならではのテンションを上手くキープしていってほしい。

PENPALS

 私は初めて観るバンドでしたが、お客さんの反応を見ていると、結構人気あるみたい。曲はまぁ、ハイ・スタンダードみたいな感じか?
 ラストに演奏した曲は私もなぜか聞き覚えがあったのですが、有名な曲なんでしょうか?

AIR

 ドラムに佐野康夫、ベースに渡辺等、というスゴ腕メンバーを揃えたAIR。その正体はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンであった(笑)。トム・モレロ風にギターを胸元に構え、モロにザック風のラップを聴かせる車谷浩司は、まさに1人レイジ。ちなみに、レイジ調ではない曲を演奏する時は、ギターは普通に腰位置で構えていた(笑)。
 「友人のドラゴン・アッシュと以前イベントに出た時は、僕の方が出番が後だったのに、今は逆になってしまいました・・・」と情けないMCをしていましたが、ステージ終盤ではその降谷建志が飛び入り。その瞬間の盛り上がりは凄かった。彼の人気を見せつけられました。
 私は佐野康夫の大ファンなので、実は今回一番楽しみにしていたのがAIR(もっとも、CDは1枚も持っていないが・・・)だったのですが、PAの不調(というか、車谷のギターの音がデカ過ぎたのでは?)で、リズム隊が前に出て来なくて、不満が残りました。
 今回のイベントはセットチェンジが非常に早く(15分くらい)、観ている方としてはありがたいけど、そのせいか、PAの音は全体に良くなかったと思う。トップのミッシェルと、セッティングに十分時間をかけたトリのドラゴン・アッシュはいい音を出してましたけどね。

LOVE PSYCHEDELICO

 アルバムがバカ売れして話題の彼らですが、正直言って大したことはなかった。「まるで英語みたいに聞こえる日本語ボーカル」が売りみたいですが、ロックバンドとしては確実にオールドタイプ。ロックスター然とした衣装で、スポットライトを浴びながら泣きのソロを弾きまくるギタリスト(笑)なんて、久しぶりに見た。

THE HIGH-LOWS

 彼らを観るのは97年の伝説のフジロック以来、4年ぶり。あの時もヒロトはチンポを出したらしいが、今回も出してくれました。ふと気が付くと、ステージ前の照明のところで、ズボンを下ろしているヒロト(笑)。もしかしたら、ライブのたびにチンポを出しているのだろうか?
 ま、チンポはともかく(笑)、ヒロトの存在感というのは唯一無二。憎めないキャラというか、バカをやっているようでありながら、その視線はすごく澄んでいると思う。ブルーハーツが日本のロックに与えた影響というのは、思ったよりも大きいと感じる今日この頃です。

Dragon Ash

 一度はライブを観てみたかったドラゴン・アッシュ。新潟には毎年来ているのですが、今までは観に行く勇気が無くて(笑)。
 メンバーは降谷建志にDJ BOTS、Dr&Bのリズム隊に、サポートのギター、そしてダンサー2人。降谷はアコギを少し弾く程度で、基本的にはラップに専念。ドラゴン・アッシュというと、ヒップホップとパンクナンバーの両面を持つバンドだと思っていましたが、今回はちょっとメロウな感じのヒップホップがメインで、降谷建志は「他にカッコいいロック・バンドが来ているから」と言っていました。降谷建志の両側でダンサーがきっちりした振り付けで踊る、というショーアップされたステージには驚きましたが、バンドの演奏もかなりのハイレベル。
 そして、やはり印象に残るのは降谷建志のカリスマ性。最近のミクスチャー系のバンドはボーカルが2人いるパターンが多いし、ヒップホップも集団ラップがほとんど。そんな中、バンドをバックに1人でラップを聴かせ、客の視線を一身に集める降谷建志という存在の頼もしさ。新しい世代の時代が来たな、と素直に感じるしかないですね。

 



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