元オルケスタ・デ・ラ・ルスのカルロス管野率いるラテン系ビッグ・バンド。メンバーはホーン隊11人を含めて総勢17人と大所帯で、リズムセクションは、ドラム神保彰、ベース高橋ゲタ夫、ピアノ森村献、というスゴ腕なメンバーが揃っています。
今回は新潟の印刷会社の30周年記念行事(メンバーに社員の友人がいるのだそうだ)ということで、客層は老若男女というか、営業的にかき集められた感がありありの不思議な客層でしたが、有名曲のラテン調カバーを中心とした彼等の演奏は、普段は音楽になぞ縁の無さそうな客層にも受けていたようでした。
1曲目は“Mission
Impossible”で、アンコール・ラストはE,W&Fの“September”という構成が象徴するように、リラックスした演奏で、オルケスタ・デ・ラ・ルスのような緊張感や闘志は皆無。本場ニューヨークに挑み、見事に成功を収めたデ・ラ・ルス解散後、カルロス管野がこういう気軽なバンドを始めたという気持ちは分かるような気がします。音楽ビジネスの本場で激しく揉まれて、「楽しむことの方が大事じゃないのか?」と疑問を持ったのではないでしょうか?
デ・ラ・ルスのように世界を変えるほどのパワーを持ったバンドではありませんが、気軽なセッションバンドにしては豪華過ぎるメンバーによる演奏は、迫力満点でした。
夏の野外ジャズフェスで聴きたいバンドです。