JPNツアーの追加公演、武道館4DAYSの3日目は金曜日。ファンクラブ優先予約ではチケットを確保できず、一般発売で立ち見席をなんとか2枚ゲット。さらに追加発売でスタンド席を2枚確保できたので、新潟から4名で武道館に参戦です。翌日は幕張メッセでメタモルフォーゼという非常に充実した週末。
まずは、この武道館から発売された新デザインのTシャツをグッズ売り場でゲット。
武道館周辺は赤黒のPerfumeジャンパー(通称シャカシャカ)だらけで、CDジャケットで使われたJPNオブジェの回りは記念撮影スポットと化していました。コスプレの人も沢山いました。
入場してみると、なんと2階スタンドの最前列という絶好の席。しかも、アリーナの真ん中に出島ステージが設営されているので、ステージがすごく近い。武道館を狭く感じるなんて初めての経験です。
これまでのJPNツアーで不満だったのは、PAスピーカーがフライングされているので、アリーナ席だと音が頭上から降ってくる感じになってしまうことでしたが、今回は2階スタンドだったので、真っ正面からスピーカーの重低音を浴びることができて、音響的にも大満足でした。
この武道館4DAYSからセットリストに追加になったのは新曲「コミュニケーション」。そして、アンコールの1曲目、仙台公演から追加された「Spring of Life」は、TVサイズではなくフルバージョンに格上げされ、ビデオクリップと同じ光る衣装で披露されました。この衣装でのダンスはカッコいいです。シビレました。
5月中は武道館は冷房が使えないそうで、場内は熱気でかなりの蒸し暑さ。MCタイムになるとスタッフが扉を開けて、外の冷たい空気を入れていましたね。ステージの近さ、音の迫力、暑さ。ボウイ時代の氷室京介の名言「ライブハウス武道館」を、まさか2012年のPerfumeで体感できるとは思いませんでした(笑)。
01. レーザービーム(Album-mix)
02. VOICE
03. エレクトロ・ワールド
04. ワンルーム・ディスコ
(MC)
05. Have a Stroll
06. 時の針
07. 微かなカオリ
08. スパイス
09. JPNスペシャル
10. GLITTER(Album-mix)
11. メドレー
シークレットシークレット(イントロ)
不自然なガール
Take me Take me
Baby cruising Love
575
love the world
I still love U
シークレットシークレット
(MC)
12. コミュニケーション
13. ポリリズム
14. 「P.T.A.」のコーナー
15. FAKE IT
16. ねぇ
17. ジェニーはご機嫌ななめ
18. チョコレイト・ディスコ
19. MY COLOR
<アンコール>
20. Spring of Life
21. 心のスポーツ
さて、2階スタンドから下を見るとほぼ真下にPAブースが設置されていて、「爆音姉さん」としてお馴染みの女性エンジニア、佐々ふみさんの仕事がよく見えました。というわけで、PerfumeのPAエンジニアリングの謎(?)が色々と分かりました。
1 開演前のテクノなSEは、ICレコーダー系のコンパクトマシンを佐々さんが自ら操作して音出ししていました。一度、間違って音を止めて、苦笑いしてましたが(笑)。
2 PAミキサーは、バンド系と同様の大型のアナログ卓を使用。バンドを使わないカラオケ仕様のライブでは、小型のデジタルミキサーの場合もありますが、Perfumeは楽器入力数は少なくても、あえて大型のアナログ卓を使って、コストよりも音質を重視しているところが男前です。
3 バックトラックの入力はL-Rの2チャンネルのみ。コンピューターからドラム、ベース等をパラアウトはしていないので、佐々さんが曲毎にEQを細かく調整して、バランスをとっていました。要するにPAエンジニア的にはDJイベントと同じ状況です。2mixのバックトラックで、あれだけ分離のいい音を鳴らすとは、さすがです。
4 P.T.A.のコーナーでのキック4つ打ちやTRF、早見優の曲等々は、バックトラックとは別のチャンネルに入力されていたので、バックトラック担当とは別のコンピュターから出力しているようです。多分、ソフトはAbleton Liveを使って、マニピュレーターがポン出ししているのだと思います。
5 ミキサー卓のフェーダーが4本だけ赤、黄、青、緑のカラーのつまみに交換されていました。この4チャンネルが3人のワイヤレスマイクの入力で、4本目は予備のマイクのチャンネルだと思います。マイク入力のチャンネルは、のっち、かしゆか、あ〜ちゃんの順。エンジニア目線でのボーカリストとしての位置づけはこの順番なんですね。
6 着替えや身繕いでステージから袖に引っ込む時以外は、ライブ中は常にマイクチャンネルのフェーダーは上がっていました。
また、「GLITTER」でヘッドセットマイクを使う時は、別のチャンネルのフェーダーを上げていたので、ヘッドセットマイクもダミーではなく、ちゃんと生きているようです。
「Perfumeのライブは口パク」と思っている人も多いと思いますが、それは正確ではありません。
完全なリップシンク(口パク)ではなく、3人のマイクからの入力は常にバックトラック(ケロ声ボーカルも含む)にミックスされています。ただし、マイクは入力されていても、本人達が常に全力で声を出しているわけではない、というか、バックトラックのケロ声ボーカルとのバランスやダンスの動きとの兼ね合いを考えながら、どの程度の音量で歌うか、メンバー3人が自主的に調節しているのではないか?というのが私の推論です。
私は最初は、3人は常に全力で歌っていて、本人達のイヤモニには生歌メインのモニターミックスが返っているけれど、外音のPAミックスでは生歌の音量は絞って、バックトラックのケロ声ボーカルとのバランスを、エンジニアが曲の進行に合わせて細かく調整しているのだと想像していました。しかし、今回の佐々さんの仕事を見ていると、曲中でマイクチャンネルのフェーダーを大幅に上げたり下げたりはしていないことが分かりました。ということは、生声のミックス割合は、おそらくメンバー3人の発声具合に任されているのだと思います。
考えてみれば、あ〜ちゃんは歌いながら突然「イエーイ!」と叫んだり、不規則発言(笑)をすることがよくありますが、それを予測してエンジニアがマイクのフェーダーをコントロールするのは無理ですよね。ステージ上の本人達がイヤモニからのモニター音を聴きながら、セーブして歌うか、全力で歌うか、自主的に音量をコントロールしているのだと私は思います。
2009年に直角二等辺三角形ツアーの最終公演を横浜アリーナで観た時も、席がPAブースの斜め後ろで、ミキサーのメーターの振れ方がよく見えました。歌わない部分でもマイクチャンネルのメーターが振れていたのは、マイクがPAスピーカーの外音を拾っていたのだと思います。で、例えば、のっちが歌うパートでは、のっちのチャンネルのメーターの振れ方が大きくなりました。これも3人のマイクが常にオンになっている証拠ですね。
ちなみに、2009年も2012年もPAミキサー上ののっち、かしゆか、あ〜ちゃんのチャンネル順は同じでした。