Perfume

3rd Tour 「JPN」打ち上げ公演!海パーン!!!

2012年5月26日(土) 沖縄・宜野湾海浜公園屋外劇場



5月の沖縄はもう真夏

 1月28日(土)の埼玉スーパーアリーナで発表された、沖縄でのファイナル公演。「行きたいけど、ホントに沖縄まで行くのか!?」と半信半疑でしたが、結局参加してしまいました(笑)。
 新潟〜沖縄の飛行機は一日一便しかないので、念のため、金曜は休みを取って、前日に沖縄入り。新潟と違って、5月の沖縄は既に真夏の青空が広がっていました。
 レンタカーを借りたら、明日の会場の宜野湾海浜公園を下見に行って、駐車場のキャパ等々を確認。会場では建設業者が設営の真っ最中でした。

 

 夜は、北谷町アメリカンビレッジにある、りんけんバンド経営のライブハウス「カラハーイ」にて、ティンク・ティンクとシャンピンという女性グループのライブ&沖縄料理を楽しみました。伝統的な音楽が今も生きていて、若い世代がしっかりと受け継いでいる沖縄って、すごい土地だなと改めて思いました。

 

 ホテルに帰ると、エレベーターでPerfumeグッズのラゲッジタグ付きスーツケースを持った男性と遭遇したので、声をかけてみました。「明日Perfumeですか?何回目ですか?」「9回目です。武道館4日間全部観たので。」「スゴイですね〜、負けました。」なんて話をしましたが、俺も改めて数えてみたら、これが8回目のJPNツアーでした。大差ないじゃん(笑)。
 ホテルの窓からは宜野湾海浜公園が見えて、夜12時過ぎまで照明リハーサルが行われていました。スタッフの皆さん、お疲れ様です。

のっち発注による奇跡の天気回復

 土曜当日は、朝から曇り空。レンタカーで琉球王国の聖地「斎場御嶽」、奥武島、瀬長島と観光して回っていると、昼頃には小雨が降ってきました。慌ててコンビニでビニールカッパを買ってから、那覇空港で新潟から当日到着の友人をピックアップ。会場の宜野湾海浜公園へ向かいます。
 車は隣接する宜野湾港マリーナの有料駐車場に置いて、会場方面へ向かう頃には、すっかり天気は回復。もう雨の心配は不要です。この天気の変化は実はのっちの発注どおりだったことが、ライブのMCで明らかにされました(笑)。
 まずは、沖縄会場限定グッズの「海パーン!!!セット」を買うべく、物販の長蛇の列に並びます。真夏の日差しに耐えていると、会場から「ポリリズム」が大音響で聞こえてきて、あ〜ちゃんらしき叫び声も聞こえる。リハから異常な盛り上がりらしい(笑)。
 男性用の「海パーン!!!セット」は輸送トラブルのために数量限定、ということで整理券が配られていましたが、特に混乱も無く、無事に買えました。

 

Perfume史上発の野外ワンマンライブ

 会場は日比谷野音と同じような雰囲気です。入場すると飲食テントがあって、ちょっとした夏フェス気分。
 最前のSブロックはスタンディング、Aブロック、Bブロックはベンチ席、最後方は芝生ブロック。入場は全ブロックが整理番号順でした。A・Bブロックのベンチには席ナンバーが書いてあったので、なぜ指定席にしないのか?と疑問に思いましたが、ベンチ席の後ろで立ち見の人も沢山いたので、ギリギリまで観客を入れた、ということなのでしょう。ともかく、Bブロックのほぼ真ん中の席を確保しました。
 ステージセットは非常にシンプル。出島ステージも映像スクリーンも無く、照明機材も最低限で、ライブハウスのような簡素な舞台です。見た目だけでも、レーザーや映像を駆使したJPNツアー本編と今日の打ち上げ公演は全く別物になることが分かります。
 観客は開演前のアナウンスから異常な盛り上がり。「場内では係員の指示にお従いください。」「ハーイ!!」「以上のことが守られないと、公演を中止する場合があります」「エ〜〜!?」と、バス遠足の小学生状態じゃ(笑)。  

 

 ライブはまだ明るい17:40頃スタート。いきなり「GLITTER」、「Spring of Life」とキラーチューンを2連発!
 JPNツアー本編では足下からのレーザーとシンクロしたダンスで魅了した「GLITTER」、武道館では光る衣装を披露した「Spring of Life」でしたが、そういう派手な演出が無くても、3人の生身のダンスと低音バリバリの音響だけで全く見劣りしないところに、チームPerfumeの叩き上げの実力を感じます。
 ロッキンオンの兵庫慎司氏がブログで、Perfumeは「強力な演出力を持っているにもかかわらず、それらが「ないならないでかまわない」ところが、すごいのです。」と評していましたが、まさにその通り。
 映像も無い、レーザーも無い、まだ明るいので照明の効果も無い。そんな無い無い尽くしの丸裸な状況でこそ、パフォーマーとしての強靱な肉体性と中田ヤスタカの楽曲の魅力がより迫力を増して感じられるのです。

 JPNツアー本編とはセットリストが全く違います。MCでのっちが「本編とは一切違うことをやります!」と宣言しましたが、日本語の「一切」の使い方を間違ってますがな(笑)。

01.GLITTER
02.Spring of Life
03.ねぇ
04.ワンルーム・ディスコ
(MC)
05.Have a Stroll
06.パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
07.コミュニケーション
(MC)
08.VOICE
09.スパイス
(MC)
10.レーザービーム
11.ポリリズム
-P.T.Aのコーナー-
12.FAKE IT
13.エレクトロ・ワールド
14.セラミックガール
15.チョコレイト・ディスコ
(MC)
16.MY COLOR
(アンコール)
17.ジェニーはご機嫌ななめ
18.Perfume
19.心のスポーツ

 選曲としては「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」、「セラミックガール」と久しぶりの曲を演ったことと、アンコールで「Perfume」が復活したことがツアー本編との違いですが、SPEED好きの私としては「P.T.Aのコーナー」であ〜ちゃんが歌うSPEEDの「Body&Soul」を聴けたことが非常に嬉しかった。また、MCであ〜ちゃんは木村カエラの「Butterfly」と安室奈美恵の「Can You Celebrate」をちょっとだけ歌いましたが、これが実に上手い。Perfumeのライブは基本的に口パクだけど、本当は歌手としての実力もちゃんと持っているんですよ。

 客層は地元沖縄在住者が3分の1くらいで、残りはJPNツアーを転戦してきた全国の精鋭達が集った感じ。あ〜ちゃんもMCで「一緒に全国を回ってきた皆さんですから」と発言していました(笑)。
 また、観客の年齢層や人種(?)が幅広いのもPerfumeの特徴。後方に「今日が結婚記念日」というプラカードを掲げた初老のご夫婦がいて、3人から祝福されていました。最前ブロックには「そうでない人」でお馴染みの「ユキジさん」もいましたね。ダンス完コピで踊り続けていました。

 スローな曲は全く無し、アッパーな曲をたたみかけるステージは本当に圧巻でした。
 アンコールの最後、3人が「Perfumeでした!」と深々とお辞儀すると、照明がなぜか暗転。すると背後の海側から花火がパーン!!!と打ち上がり始めました。3人には秘密だったサプライズ演出、謎の公演タイトル「海パーン!!!」の真の意味はこれだったのか!?
 花火は次々と打ち上げられ続け、途中から3人はステージ上に体育座りして、観客と一緒に夜空を見上げていました。花火は200発打ち上げられたそうで、ライブでの演出の域を超え、田舎町の花火大会を上回る規模でした。あ〜ちゃんは感激して「あれ1個いくらすると思ってるの・・・」と大泣きし、観客に向かって「みんな知ってた?知ってたんかい!?」と逆ギレ(笑)。
 スタッフからPerfumeの3人への素敵なサプライズでJPNツアーは全て終了。退場する観客からは「MIKIKO先生ありがとー!」、「もっさん(マネージャー)ありがとー!」と声が飛ぶ。本当にいいお客さん達ですね。
 退場ゲートでは、KIRINさん提供の氷結orキリンレモンが配られました。ありがとうございます。

 


Perfumeのライブとは名人芸の結晶である

 さて、半年間に渡るJPNツアー、私は埼玉2公演、新潟、静岡、仙台、札幌、武道館、沖縄と合計8公演を追っかけてきました。同じアーティストのツアーをこんなに何度も観たのは人生初ですが、Perfumeのライブは何度も観ても飽きないのはなぜなのか?

 色々考えた結果、「Perfumeのライブとは名人芸の結晶である」というのが私の結論。

 例えるなら、話のオチが分かっている古典落語でも、名人の噺家にかかれば一流の芸として何度聴いても楽しめる、というのと同じではないかと。(落語の知識は全くないので、適切な表現かは分かりませんが・・・。)
 音楽界で例えれば、「James Brownのマントショー」「Chuck BrownのGO-GOスウィングメドレー」「山下達郎の一人アカペラ」、あるいは「Michael Jacksonのビリージーンのダンス」。何をするか分かっちゃいるけど、何度聴いても観ても気持ちいい。こういう偉大な先人達の「名人芸」と、チームPerfumeのライブは私にとっては同じレベルにあります。

 中田ヤスタカのエレクトロな楽曲。クラブ仕様の重低音でPAスピーカーを鳴らすエンジニア。絶妙なタイミングで曲トラックをコントロールするマニピュレーター。様々な映像、大量のレーザーと照明を操り、それらを完璧なタイミングで進行して一体化する大勢のスタッフ達。そして、独特の振り付けを生み出すMIKIKO先生と、その世界観をダンスで表現するPerfumeの3人。さらに、天才的な閃きを見せる3人のMCトーク。
 このチームPerfumeの技術を結集したJPNツアーは、音楽ライブというより、インスタレーションと呼ぶべき作品だったと思う。シルク・ドゥ・ソレイユのように、常設の劇場でロングラン公演しても不思議ではないクオリティーでした。
 PerfumeはDJプレイのようにデカイ音で曲を聴くだけでも100%の気持ちよさが味わえる。そこに3人のダンスが加わると120%になり、毎回完全アドリブのMCトークが加わると150%。さらに映像、照明、レーザーが加われば、無敵の200%のステージが完成する、というわけだ。

 そして、驚くべきは、Perfumeのライブを観るたびに「今までで一番良いライブだった」と思えるということ。ツアーの中で演出がこなれていく、というのもあるけれど、チームPerfumeはまだまだ成長しているということだろう。
 実際、前回の直角二等辺三角形ツアーの「edge」での映像と完璧に一体化したパフォーマンスが凄すぎて、あれを超えることは無理だろうと私は思っていたけれど、今回の「GLITTER」でのレーザーとシンクロしたダンスで、あっさりと記録更新をしてしまった。
 しかし、そうした最先端の演出が一切無くても、全く臆することなく、JPNの世界をシンプルに音とダンスだけで表現した沖縄のステージこそ、現時点のPerfume最高の「名人芸」であった。

 Perfumeは「過去」よりも「今」こそがベストだ。しかし「次」の新曲とライブでは、必ず「今」を超えて更新くれるはず。今年の夏フェスでは、どんな「最新型の名人芸」を見せてくれるのだろうか?
 Perfume追っかけ人生はまだまだ続きます。



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