まさか、新潟でピチカートが観れるとは!? 多分、ピチカート史上初の全国ツアーですよね。
会場に着くとDJが回しており、それが終わるとモンドな映像とこれまたモンドな音楽のコラージュが流され、いかにも小西テイストなオープニングでした。
まず、サポート・ギタリストのブラボー小松が登場し、続いて小西康陽が“PIZZICATO
FIVE
TOKYO”と書かれたプラカードを持って登場。予想どおり変な踊り(暴れてるだけか?)を見せると、ついに野宮真貴が宝塚のレビュー(?)みたいな衣装で登場。やっぱり絵になる女性です。衣装替えは5,6回ありました。
ライブは“東京は夜の7時”でスタート。バック・トラックは全てテープ出しで、映像と完全リンクでしたが、照明が今イチ。去年観たコーネリアスには及ばなかったです。さらにPAの調子が悪く、低音が暴れていて全くコード感が分からない壮絶なサウンドでした。モニターにはちゃんと返っていたのかもしれませんが、「よく野宮真貴はこのオケで歌えるなぁ」なんて変な感心をしてしまいました。もしかしたら、ボーカルもテープかも?という疑いもありましたが。
しかし、ビックリしたのは小西康陽が半分くらいの曲でベースを弾いたこと。ライブ・ビデオで演奏する姿を見たことはあったんですが、意外に楽器演奏の比率が高く驚きました。さらにアンコールの最後の“大都会交響楽”ではエレピを弾き、野宮真貴と2人だけの生演奏を披露しました。
しかし、初めてのライブなのにどうも初めてという気がしないんですよね。ビデオで観たことがある、ということ以上に、やはりピチカートのパブリック・イメージそのままのステージだったからだと思います。とにかく肉体性が皆無。特に野宮真貴は無色透明というか、小西康陽が作り出したイメージを完全に演じきっており、野宮本人の人格は全く感じられません。“オリジナル”という言葉が急速に意味を失いつつある90年代のTOKYOを、まさに体現しているのでしょう。
ステージ上のスクリーンには“PIZZICATO FIVE
TOKYO”の文字が何度も映し出されていましたが、“TOKYO”という言葉がこれほど似合うグループはないですね。