SPEED

LIVE 2003 Save The Children

2003年11月1日 仙台サンプラザホール


祝・再結成!

 2000年3月の解散後、阪神大震災チャリティのために、2001年に1回だけ淡路島で再結成ライブを行いましたが、ついに2度目のSPEED再結成です。今回も「SAVE THE CHILDREN」というNGO活動に賛同してのチャリティとのこと。
 4年前にはNHKニュースでも取り上げられたほど大々的に解散しただけに、「チャリティ」とでも言い訳しないと、再結成はしにくいのでしょうね。解散後の4人のソロ活動はお世辞にも順調とは言えないだけに、実際はビジネス面の事情による再結成なのでしょうが、理由はどうあれ、ファンとしては嬉しいです。


SPEEDに最接近

 というわけで、全国9カ所のツアーのうち、連休中で一番行きやすかった仙台公演を観に行ってきました。
 会場の仙台サンプラザは、円形劇場というか、普通のホールとはひと味違う構造。3階席まであるので、収容力はかなりあると思いますが、ステージまでの距離が近い。私は3階席の一番前の列だったので、今までのSPEED体験の中でも、一番近くで観ることができました。解散前のライブは野外か大規模アリーナが会場だったので、普通のホールで観られるなんて最高です(笑)。

 開演前の観客を見ていて気づくのは、子供がほとんどいない(笑)こと。解散から4年たっているのだから、当時小学6年生だった子も今は高校生だ。解散後に新しいファンがつくことはないのだから、子供がいないのも当然か。むしろ、コアなファンが残った結果、オヤジ度オタク度が上がった気がする。どう見ても「お父さん」の年齢なのに、子連れじゃなくて、一人で来ている怪しいオヤジが結構いました。ま、私も同類ですけどね(笑)。

 解散前に比べるとかなり濃〜い雰囲気の会場に、注意事項アナウンスが流れます。が、普通のアナウンサーにしては口調がおかしい。「〜以上の事項をお守りいただけない場合は、退場していただく場合もあります。みんな、盛り上がろうね〜!」なんだ、絵里子じゃん(笑)。演出もなんか濃〜い感じだなぁ(笑)。


SPEEDの新たな展開

 1曲目はなんと新曲“Be My Love”。そして、解散前のライブでは終盤の盛り上がりの定番だった“Go! Go! Heaven”は2曲目、これまたアンコールの定番だった“My Graduation”も序盤のアコースティック・セットで歌ってしまうという意外な曲順。CD化された淡路島ライブは定番で固めたベスト選曲といういかにも「再結成」なセットでしたが、今回のツアーは明らかにコンセプトが違う。今までのSPEEDとは違う面を見せる、という意図を強く感じました。
 11月27日に発売されるニューアルバムでは、デビュー以来全ての曲を手がけてきた伊秩弘将だけではなく、様々なアーティストから曲を提供してもらったとのこと。ライブもアルバムも、1度限りの再結成というより、今後を見据えての新展開、と表現した方がよさそうな雰囲気で、あわよくば、このまま活動を続けてしまおうと事務所側は考えているんじゃないでしょうか。

 そんな意図は、4人のソロ曲でも感じました。解散前は4人分まとめてソロコーナーにしていて、「SPEEDとソロは別物」という演出だったのですが、今回は4人のソロバラバラに曲順に組み込み、SPEEDの曲とシームレスに繋がる構成。ソロ曲のバックに、他のメンバーもダンスやコーラスで参加し、SPEEDとソロ活動は平行して行う、と印象づけるような演出でした。

Be My Love
Go! Go! Heaven
Steady
All My True Love
愛が泣いてる(寛子ソロ)
I Remember
Snow Kiss
My Graduation
Butterfly(絵里子ソロ)
Alive
Deep Blue & Truth
I Got You(仁絵ソロ)
Walking In The Rain(新曲)
Long Way Home
Stars To Shine Again(新曲)
KIss You 情熱(多香子ソロ)
Too Young
Body & Soul
White Love
Breakin' Out To The Morning
---
Wake Me Up!
熱帯夜
I'll Be All Right


バックは角松&久保田バンド

 バンドメンバーは、解散前とほぼ同じ。江口信夫(Dr)青木智仁(B)梶原順(G)というお馴染みの角松敏生バンドのメンバーに加え、久保田利伸バンドのギタリスト羽田一郎が参加。角松&久保田バンドの混成軍というドリームチームとも言えるメンバーでした。コーラスは残念ながら黒人のメロディー・セクストンは不参加で、日本人の男女2名。トランペットも不参加でしたが、サックスとキーボードは解散前と同じメンバー。

 ステージセットもかなり力が入っており、バンドメンバーが乗るステージの後方部分はなんと上下動する仕組みになっていました。スクリーンも設置されて、VJ的な映像が非常に効果的に使われていました。最高だったのは、Tommy Februaryプロデュースの新曲“Stars To Shine Again”の映像。Tommy Februaryと言えば想像できるとおり、SPEEDの4人がチアガール姿で歌い踊る映像で、SPEED史上最高のビデオでしょう。いやぁ、Tommy Februaryは男心を分かっているよ。あれはプロモビデオとして販売するべきだな。

 本編のラストは“Breakin' Out To The Morning”。アンコールまでの間もスクリーンに本人達の映像が流れ、「アンコール、アルコール、マンホール」とかオヤジギャグ(笑)で、観客の拍手をリード。反則的な演出だけど、今の濃い観客達には、これくらいのサービスで丁度いいのだろう(笑)。

 アンコールにはジーンズにTシャツのラフな服装で4人は登場。最後の“I'll Be All Right”では、ダンサーやスタッフが仮装してステージになだれ込み、何も知らなかったSPEEDは大爆笑。ダンサーの一人は股間に張りぼてを付けたビキニ姿で登場し、それを観て笑い転げるSPEEDの姿に、私は4年間の成長の跡を感じた(笑)のでした。MCも解散前は決められた台詞をしゃべらされている感じでしたが、今回は自分達の言葉で自由に話していました。その分とりとめのない話になってましたけど(笑)。


このまま活動続行か?

 ライブが終わっての感想としては、これが最後という気がしない(笑)、というところでしょうか。
 まぁ、「このまま活動を続けてほしい」というファンとしての願望が、そんな感想を抱かせてしまうのかもしれませんが、やはり、寛子と絵里子のボーカルは、一緒に歌ってこそ真価を発揮するのだと今回つくづく感じました。そして、仁絵の素晴らしいダンスと多香子のルックス。残念ながら、グループとしての4人の魅力を、ソロ活動で越えることは無理でしょう。

 幸いなことに、モーニング娘と違って、SPEEDの楽曲には時間的な耐久力がある。“BODY&SOUL”も“WHITE LOVE”も20代になっても歌えるから、今回の再結成を一時的なものと限定する必要はないだろう。次のシングルでは、ゴスペラーズに曲を書いてもらっているそうで、「大人のSPEED」という新しいイメージを世間が受け入れてくれるか反応を見て、続行させるかどうか決める作戦なのではないだろうか。
 さて、「来年もまたSPEEDのライブを観たい」という私の願いはかなえられるのか!?

 



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