最新作の“ELEVEN
GRAFFITI”はつまらなかったのですが、前回のツアーが結構良かったので、もしかすると?という期待もしてたのですが…。結論的には田島貴男はもうダメかも?という感じ。
とりあえず、打ち込みの導入は見事に失敗してましたね。“アンブレラズ”で雨音のサンプルを使うなんて、今時素人でもやらんぞ。そのくせ“ティラノザウルス”ではドラムンベースのリズムを生ドラマーに叩かせるという無意味なことをやるし。今回のライブ用の打ち込みは田島本人がやったらしいですが、とにかく中途半端でした。数日前に観たコーネリアスの足元にも及びません。
私は「ダメだこりゃ」と思いながら観ていたのですが、何故か周りの客(ほとんど女性)はやたらと盛り上がってるんですよね。オリジナル・ラブのライブは何度も観てますが、今までで一番客席は熱かったのではないでしょうか。私が思うには、“プライマル”以降はヒット曲もないし、今はコアなファンだけが残ったという感じですかね。
結局私が納得したのは、アンコールで演ったソウル歌謡風な“プライマル”(要は“接吻”のアレンジですな)のみ。オリジナル・ラブが田島1人になってからのライブの最大の弱点はずばりドラムですよ。宮田繁男脱退以降は、佐野康夫(彼はいい)で1回来たことがありますが、他のドラマーはどれも今イチ。ベースが沖山優司で安定しているのに、もったいないですよね。
そして根本的には、やっぱり田島には木原龍太郎や宮田繁男のようなパートナーが必要ですよ。誰かが「田島、それは違うんじゃないの?」と言ってやらないとあかんよ。
今の田島は裸の王様状態です。私の友人で「昔の田島は“夜”のイメージだったけど、今は“春”だね」と言った人がいましたが、ホントにそんな感じのライブでした。これからの田島貴男は一体どこへ向かっていくのでしょうか?