山下達郎

Performance 1998-1999

1998年12月2日 新潟県民会館


7年ぶりの全国ツアー、感無量です(涙)

 ついに生の達郎を観れる日が来ました!
 7年ぶりの全国ツアー、新潟2DAYSの2日目です。80年代はコンスタントにツアーをやっていた達郎ですが、私のような20台後半の人間にとっては、生の達郎は幻とも言える存在でした。ライブ盤“JOY”で達郎の凄さを知った私としては、まさに長年の願いがかなったというライブでした。


日本ポップス界のベスト・メンバー

 今回も達郎バンドは信じられないほどの豪華さ。全員がソロ・アーティストとしても活動できるメンバーで、7,500円というチケット料金も納得です。

青山 純 (Dr)
伊藤広規 (B)
佐橋佳幸 (G)
難波弘之 (Key)
重実 徹 (Key)
土岐英史 (Sax)
佐々木久美 (Cho)
国分友里恵 (Cho)
三谷泰弘 (Cho)

 今回の目玉は元スターダスト・レビューの三谷泰弘ですかね。達郎のツアーと平行して、自身のユニット「esq」のツアーも行っているそうです(実際この翌日に新潟CLUB JUNKBOXでライブをやったらしい)。メンバー紹介の時に一番客席からの声援が大きかったのは三谷氏でした。
 私が一番印象残ったのはギターの佐橋佳幸ですね。超有名スタジオ・ミュージシャンですが、生で観るのは初めて。いやぁ、マジで上手い。さらにソロも強烈にカッコいい。売れっ子なのも納得です。
 前出の三谷氏を含むコーラス隊もすごかった。ライブとは思えない完璧なコーラスワーク。達郎を含めて4人のボーカリストが共演している感じでした。
 意外だったのがベースの伊藤広規。雑誌とかで見た印象で「おじさんベーシスト」というイメージを持っていましたが、「いかにもロック・ミュージシャン」というような服装で、昔よりも若返った感じでしたね。


これこそミュージシャンの理想の姿

 ライブは“SPARKLE”でスタート。アカペラ・コーナー、“Let's Dance Baby”での客席からのクラッカーとエンディングでの「ベイベ〜」リピート、“Ride On Time”でのマイク無し生ボーカルなど、達郎ライブの定番アイテムを全て網羅。新作“COZY”からは2曲のみで、89年リリースの“JOY”と内容的にはほとんど変わらない。極端な話、20年前と変わらない演奏スタイルなわけで、「旧態依然のお約束の世界」と言えなくもない。
 しかし。完全生演奏完璧なバンド・アンサンブルを聴かせるその姿勢こそ現代的であり、90年代のミュージシャンの理想の姿と言えるでしょう。スタジオでアナログ・デジタル両方のテクノロジーを使いこなしつつ、ステージでは生身の演奏で真っ向から勝負する。これこそ、楽器を弾いて音楽を制作する者がこの時代に演るべきことだと思います。サンプリングと打ち込み無しでも、人間はこんなにも素晴らしい音楽を聴かせられることを、若い世代に示していってほしいと思う。


しかし、客層は「?」

 シュガーベイブの再発CDがバカ売れしたり、“Windy Lady”がクラブで人気だと話題になったりと、達郎は今の若者にとってもリスペクトの対象になっているのだろうと思っていたのですが、残念ながらクラブで踊っているような若者は客席には全然いない。年齢層はかなり高く、ハゲ率も高い(笑)。
 達郎に向かって「中年の星!」と叫ぶオッサンや、マイク無しで歌おうとしている時に「達郎さ〜ん!」などと声を上げるオバサンには、はっきり言って私は殺意を覚えました。
 う〜ん、どういうことなんですかね? なぜ若者は達郎を聴きにこないのだ!? フリーソウルなんて聴く前に、まず達郎を聴けっつーのよ!

 



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