Dreams Come True

2002:monkey girl odyssey arena-mix

2002年7月27日 新潟市産業振興センター


フジロック→ドリカム→フジロックの強行軍

 ついにドリカムを観る日がやってきました。
 97年のジェームス・ブラウン来日レポートを読み返すと、当時の私の「生で観たことのない大物ランキング」で、JB、山下達郎に続いて、ドリカムは堂々の3位でした。あれから5年、何度も電話予約で敗退していたのですが、今回の新潟公演は地元新聞の先行予約で電話したら、なんと1発目で繋がってしまったのです。奇跡だ!
 しかーし、「7月最後の週末って、もしやフジロックと重なるのでは?」と思っていたら、不安的中。フジロック2日目と重なってしまい、苗場・新潟間を往復する強行軍になってしまいました。
 さらに、西川君の突然の脱退発表。全く、俺は運が良いのか悪いのか・・・。


ドラムはなんと中村ポンタ秀一

 会場の産業振興センターは、新潟市内で最大のキャパの施設。ここで2DAYSだから、合計1万人の集客のはず。ただし、会場内を見回すと、観客の年齢層は結構高い。最近は大ヒット曲もないから、新しいファンがついていないということなんだろうね。危険な傾向です。
 ライブは、宇宙船に乗ってモンキーガール星へ旅するという、タイトル通りの設定のようで、宇宙船出航を告げるアナウンスの後、バンドだけでインストを1曲演奏。そして、吉田・中村の2人がステージ下から抱き合って(?)リフトで登場。
 ちなみに、ドラマーはなんと中村ポンタ秀一。数年前の武道館ライブのテレビ放送で、ポンタが叩いているのを観たけど、ツアーにも同行しているのですね。でも、ドリカムの曲でポンタに叩いてもらう必要性はあまり感じられなかったですねぇ。ライブ中盤でドラム・ソロの時間がありましたが、それもとってつけたような感じ。そもそも、PAミックスのバランスが悪く、ドラムの音が小さいんだよね。なんのためのポンタなのか、よく分からん。
 曲は最新作“monkey girl odyssey”の曲が中心で、CDをまだ買っていない私には、分からない曲ばっかり(笑)。てっきり、アンコールでは“うれしい!たのしい!大好き!”あたりで大盛り上がりにするのかと思ったら、そういう安易な手法はなし。定番曲で演奏したのは“あなたとサラダ”くらいだったでしょうか。昔の曲で盛り上がるのは、何年かに一度開催するドリカム・ワンダーランドという大規模ライブでやるらしい。


2人ドリカムは別物

 今回のライブで気になるのは、やはり「2人になったドリカム」はどうなのか? ちょっとワイドショー的な視点ですが(笑)。
 結論的には、今までとは別物、だと思います。
 まず、中村正人が目立ち過ぎ。ま、私は生でライブを観るのは初めてなので、今までどうだったのか分かりません。テレビ出演時のトークではやはり中村の口数が多い。しかし、過去のライブビデオ等での印象は「主役は吉田美和、男2人はバックで支える」という姿勢でした。
 しかし、今回のステージは「主役は吉田&中村」という演出で、サウンド面でもベースの音がやたらとデカイ。中村の「俺も主役」という意識が、一番大事なサウンド面でのバランス感覚をも狂わせているのだろうか?
 吉田美和の独特なキャラクターも、MCの相手が中村1人になってしまうと、妙なラブラブ感(笑)というか、見せつけられているというか、嫌味な印象を抱いてしまった。吉田と中村がデキているのかどうかは分からないけど、「夫婦でラブラブでバンドやってま〜す」みたいな感じがちょっとなぁ。
 そして、脱退した西川君については、全くコメントなし。「2人になったけど、これからも変わらないドリカムを見せられるようにがんばるよ!」って、それだけ。
 ま、確かに西川君は音楽的には必要ないかもしれないけど、彼がいないために、雰囲気が変わってしまったのは、前述のとおり。 例えば、Happy Mondaysのベズ、電気グルーヴのピエール瀧のように、音楽面での貢献は全く無くても、バンドにとって欠かせないメンバーというのは存在する。西川君もドリカムには不可欠な人物だったと思う。ドリカムのラブソングが普遍性を保つために、女1男2(そしてあのオカマキャラ)というのは、絶妙なバランスだったのだろう。もし、吉田と中村が結婚なんてことになったら、単なる夫婦のノロケの歌になってしまうじゃないか。


もう観なくていいかも・・・

 以前ドリカムのライブを観た友人が「涙出そうになった」と言っていたので、私も相当期待していたのだけど、観たタイミングが悪かったというべきか、期待外れに終わってしまいました。吉田美和の最大の魅力は、子供のようにまっすぐに歌に打ち込む姿勢だと私は思う。“sing or die”というアルバムがあったけど、まさにその通りのボーカリストだ。そんな吉田美和の歌をしっかりと聴きたいのに、中村正人の影が邪魔をする、そんなライブでした。
 「フジロック2日目を観ていた方がよかったかも?」と思いながら、私は再び苗場へと帰っていったのでした。

 



Back to Menu

Back to Home