場外売り場のオフィシャルTシャツをいつ買うべきか? 毎年頭を悩ます問題です。
昼間のライブ中に場外に出て買ったこともありますが、ライブを観ずに何時間も行列に並ぶのは実にもったいない。グリーンステージ終了後なら、それほど行列しないで済むのですが、夜になると既に品薄になっているし。というわけで、今年は初日の朝9時前に苗場に到着し、行列に並ぶという作戦でいってみました。
グリーン開演の11時まで2時間あれば、なんとかなるかなと思ったのですが、甘かった・・・。結局、Tシャツを買えたのは13時で、4時間もかかってしまいました。ライブを見逃したのは2時間で済みましたが、フジロック開幕を行列したまま迎えるというのも、なんだかなぁ・・・。
年々、このTシャツ売り場とトイレの行列はひどくなっています。
行列中に小雨がパラパラと降ってきました。早くも雨の予感。
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フジロックでラウドネスは思いつかなかった。完全に想定外(笑)。 |
Tシャツではありませんが、このフンドシ軍団には何度も遭遇しました。 |
グリーンに陣地を築いた時には、既に2番目のFLOGGING MOLLYも終了していました。天気は曇りですが、前日の雨の影響で、場内はぬかるみ状態のため、念のため長靴を装着。
オフィシャルTシャツの次は、フィッシュマンズの「I'M
FISH」Tシャツを買うため、早々にヘブンへ向かう。
ボードウォーク途中の木造亭では、ジャズネコというバンドが演奏中。バンドの目の前をお客さんが移動していくのですが、演奏しにくくないですかね?
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お目当てのフィッシュマンズTシャツはMサイズしかなかった(Lサイズはグリーンで売っていることが判明)ので、とりあえずメシ。
東京エールというビールと999円のパワーズ・プレートで乾杯。牛肉、鶏肉、生野菜とご飯のセットですが、実にウマい。生野菜に味噌という組み合わせがヘブンっぽくていいわ。
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ようやくライブのレポートです(笑)。
まさかフジロックで加藤登紀子を観れる日が来るとは思わなかった。多分、スマッシュの日高大将のアイデアなんでしょう。観客の後ろから大将本人もステージを見守っていました。
白いドレスで登場した登紀子さんは、シャンソンを1曲歌った後、いきなりジョン・レノンの“Power
to The Peole”へ。フジロックのアンセムとも言うべきこの曲で、親子以上に年齢の違う観客達のハートをがっちりキャッチ。モンゴル800のカバーも演ったので、「加藤登紀子=演歌の人?」とでも思っていた若者達はビックリしたことでしょう。
ステージには娘の歌手「Yae」さんと生まれたばかりの孫(!)が登場し、デュエットで歌うシーンもあり、さらに若い男性ラッパーまで参加。しかし、あのラッパーはどう見ても余計だったと思うが(笑)。
ラストはお馴染み“百万本のバラ”と“知床旅情”。語りかけるような歌声に、若者達もきっと何かを感じたはずだ。
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ライブ前、若い女の子2人がこんな会話をしていました。
「加藤登紀子ってどんな人?」
「知らないけど、フジに出るんだから、きっとスゴい人だよ。」
ここまで観客に信頼されるフジロック。大将の想いはちゃんと届いていますよ。
THE BOOMの宮沢和史の新バンド。ドラム・江川ゲンタ、ギター・高野寛という強力メンバーに加え、パーカッションにマルコス・スザーノ、キーボードにフェルナンド・モウラとブラジル軍団が参加。さらにトランペットはキューバ人、コーラスはアルゼンチン生まれの沖縄2世という異常にハイブリッドなメンバー。ちなみに、バイオリンの日本人女性は超美人(笑)。
演奏は宮沢ソロの「AFROSICK」の世界に沖縄音楽を加えたような感じか。マルコス・スザーノは控えめなプレイで、観客を眺めながら、ニコニコといい笑顔でした。
無理な願いとは思うが、“島唄”を苗場で聴いてみたかった。
ボアダムズ人脈では、今年は唯一の参加のヨシミさん。メンバーは全員女性で、パーカッションの人がかなり叩きまくっているおり、ツイン・ドラムに近いサウンド。しかし、演奏は結構下手(笑)。もっとも、こういう音響系のライブは、下手とか上手いとかそういう問題ではない気もするので、まぁいいか。
DJ&1MCのヒップホップ。ヘブンの音楽性とはちょっと違うので、案の定、集客力弱し。こういう人達はホワイトステージの3日目に出演させるべきでしょう。
オレンジからアヴァロンまで移動して一休み。朝霧食堂のシチューを食べつつ、ハイネケンを一杯。
演奏はアコーディオンを弾きながら歌う「中山うり」という女性で、歌い方はボサノヴァっぽい。天候も安定し、ピースフルな時間にほっと一息。
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実は私は矢野顕子のライブは初体験。ピアノの前に座った顕子さんは、少女のようにチャーミングで、ピアノと歌が完全に一体化した演奏は人間国宝級。ピアノの響きがたまに坂本龍一に似ていたのはご愛敬か。あの元夫婦の場合、どっちがどっちの影響を受けたとは言えないとは思うけど。
矢野顕子が心地良すぎて、演奏を聴きながら爆睡してしまいました。目が覚めた時には、すっかり暗くなっていた(笑)。
オレンジからヘブンへ歩いていると、こんな美しい光景に出会う。まさに天国。
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暗くなったので夕飯。目玉焼き入りのグリーン・カレー&ビールです。いやぁ、朝から晩まで飲みっぱなしだな(笑)。アヴァロンとヘブンの間のトイレが一番空いているので、このエリアにいれば安心してビールが飲めるのだ。
ステージ上ではHEAT WAVEの山口洋が1人で演奏中。アコギのするどいカッティングがカッコいい。
日中はパラパラと小雨が降りつつも、なんとか天気は持っていたのでですが、ついに本格的に雨が降り始めました。
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オレンジのハリー・ホソノ・クインテットを観るべきか、アヴァロンのマルコス・スザーノ・セッションを観るべきか、今年のフジロックの最大の悩みだったのですが、一夜限りの奇跡が起きる可能性は、アヴァロンの方が高いと判断しました。
ステージ上は沼澤タカのドラムセットと勝井さんのアンプ(ローランドJC)のみと非常にシンプル。キャンドルの灯りのみの薄暗いステージに現れたタカは、サウンド・チェックのために適当にドラムを叩き始めますが、次第に本気になっていき、そのまま本番突入。パンデイロを持ったマルコス・スザーノも加わり、打楽器2人のみによるミニマムなセッションが始まる。しかし、世界一のパンデイロ奏者と日本一のドラマーが織りなす会話は、恐ろしいほどに饒舌。昼間のGANGA
ZUMBAの時とは、マルコスの表情が全く違います。
そんな2人の演奏に殴り込みをかけてくるのが、内田直之のダブ・ミックス。ステージ上には存在しないサウンドを、エフェクターを駆使して次々と産み出して、セッションに加わっていく。
3人のセッションだけでもとんでもないことになっているのだが、ゲストの勝井さんのバイオリンが加わった終盤は、まさに奇跡的な演奏。おそらく完全な即興演奏だったと思われます。リズムのペースを変える時には、マルコスがタカに近づいて、新たなリズムを提示。そして、リズムの構造を瞬時に理解した勝井さんが、するどいフレーズを突き刺していく。
タカは他人のバックバンドでプレイする時は、いつも頭を左右に振りながら、冷静にドラムを叩くのですが、今回は前後に頭を振りまくり。こんなに我を忘れたタカは初めて見たよ。
私は最近は、楽器の演奏が上手いセッション・ミュージシャンみたいな人種は信用していなかったんだけど、この人達は次元が違う。ターンテーブルもコンピューターも使わず、楽器の生演奏による表現のネクスト・レベルを示してくれたと思う。間違いなく、フジロックの歴史に残る名演。
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2004年のグリーンで観た時は絶対「一発屋」だと確信したのですが、一回り大きくなってフジに帰ってきました。なんとグリーンのヘッドライナーですよ。
アヴァロンからグリーンに帰ってきた時には、既にライブ中盤でしたが、最新ヒット“Do You Want
To”を早くも演奏。終盤の盛り上がりの前に、アーティストTシャツを買おうと思い、行列に並びかけたところで、なんと“Take Me
Out”が聞こえてきたので、慌ててステージ方面へ戻る。まさか、最大のヒット2曲を中盤で消化してしまうとは・・・。しかし、その後も最後まで盛り上がりをきっちりキープ。ヒット曲に頼らずともいいライブが出来るという自信があるんだろうなぁ。本当にバンドとして成長したと思う。
ヘッドライナーの演奏中は、さすがにTシャツ売り場は空いていて、5分くらいで買えました。フィッシュマンズTシャツは無事に買えたものの、Happy Mondaysは意外にも売り切れでした。
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グリーンの陣地を片づけ、荷物を背負ってオレンジへ。オールナイト・フジ、初体験です。
DJブースとスクリーンが設置されたオレンジ・コートは完全レイブ仕様に模様替え。大自然の中、大音量で繰り出されるスギウラムのハウス・ビートは本当に気持ちいい。
クラウドが最も盛り上がった瞬間は、くるりの“ワンダーフォーゲル”4つ打ちミックスをプレイした時でした。フジロッカーにはドンピシャな選曲で、俺も大声で歌ってしまったよ(笑)。
スギウラム終了後、ボードウォークを通って帰りましたが、オレンジ方向には入場規制がかかっていました。これから朝までオールナイト・フジで過ごそうというお客さんが、あんなにいるんだなぁ。フジロックは本当に色々な楽しみ方が出来る、奥が深いフェスティバルだ。