2004年のメタモルフォーゼが苗場で開催された時は参加したのですが、翌年から静岡県の「自転車の国サイクルスポーツセンター」という、新潟県民にとっては非常に遠い会場に移ってしまったので、参加はあきらめていました。
しかし、今年は地震のために途中参加だったフジロックで完全燃焼(?)できなかったため、友人に誘われて参加を決断。出演メンバーもROVO、ダレン・エマーソン、リッチー・ホーティンと非常に豪華だしね。
オールナイトでのキャンプになるので、車で行くことにしましたが、新潟から伊豆半島は遠い!
ルートは3通り考えられます。
(1)関越自動車道で終点の練馬まで、環八経由で東名高速の東京ICへ。東名高速を厚木で降りて、有料道路を乗り継ぐ。
(2)関越自動車道の鶴ヶ島JCTから圏央道を経由し、八王子JCTで中央道へ。富士五湖道路から一般道で御殿場を通って伊豆スカイラインへ。
(3)北陸自動車道から上信越道で長野県を通り抜け、山梨から中央道へ。富士五湖道路から一般道で御殿場を通って伊豆スカイラインへ。
とりあえず、一番走行距離が短いと思われる(1)のルートを選択し、朝9時に新潟市を出発。しかし、都内に入ると環八が大渋滞。練馬から東京ICまでの15kmほどを抜けるのに2時間かかりました。ま、東京はいつも渋滞しているんでしょうけど。
東名高速に乗ってからは非常にスムーズでしたが、伊豆半島は有料道路だらけ。料金所を何度通ったか、分からないくらい。熱海とか箱根とか、高級観光地が密集していますから、貧乏人はお断りということでしょうか?
「自転車の国サイクルスポーツセンター」に到着したのは、ちょうど開場時間の16時30分。7時間半の長旅でした。
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たどり着いた「自転車の国サイクルスポーツセンター」は、伊豆の山奥にある人里離れた巨大自転車テーマパークという感じ。昭和40年代に建設された施設らしく、異様に広大な敷地は、バブル経済以前の高度経済成長期の名残を感じさせてくれます。現在も競輪学校の行事や学生の自転車競技とかが開催されているようですが、とても普段の営業でペイできているとは思えない。多分、競輪の収益で維持されているのでしょう。
ま、こういう埋もれた巨大施設を音楽ファンが有効活用するのは、いいことですな。
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巨大駐車場をぐるりと囲んだ入場の列ですが、進みは意外とスムーズで、行列30分ほどで園内へ入場。
入場ゲートではリストバンドを渡されただけで、会場の案内図やタイムテーブルは配布されず、自分で本部テントに取りにいかなければならなかったのは、ちょっと不親切でしたね。初めて参加する我々はステージやキャンプエリアの配置が分からず、とまどいました。
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ステージは3カ所が設営されていますが、写真のマップを見ると、敷地の半分も使っていないことが分かります。もしかすると、フジロック級の野外フェスも開催可能な会場なのかも?
そして、ライブ&DJプレイは、夕方6時から翌朝9時まで。
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一番大きいステージとなるのが、自転車レースではメインスタンド前となるアスファルト舗装された幅広のコース。自転車にはもったいないというか、最初から野外ステージを念頭に設計された(笑)のではないかと思うくらい、バッチリのサイズの会場です。エリア後方は飲食エリアとなっており、フジロックのオアシスなみの広さが確保されています。
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SOLAR
STAGEから一段下がった盆地がキャンプエリア。やたらと起伏のある土地だなと思ったら、ここはマウンテンバイクのレースコースなのですね。
平坦な場所をキープして、無事にテント設営完了。
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キャンプエリアから急な坂を登ると、PLANET STAGEに到着。芝生の斜面に座ってノンビリできるので、一番野外フェスらしいステージでした。
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野外フェス定番の仮設トイレは、PLANET STAGEに10台設置してあったのみ。他のステージでは、会場の建物内のトイレを使うことになっていたのが珍しい。でも、万単位の観客を想定して設計してある施設ではないので、女性用トイレには長い行列ができていました。
ゴミの回収はデポジット制。買うときには100円上乗せで払って、空き缶を持っていくと100円を返してくれるというシステム。空き缶だけでなく、フードも対象になっていて、食べた後の容器を持っていくと100円もらえるのには驚きました。
2004年の苗場では放置されたゴミがひどかったから、この方法は正解なんでしょうね。
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SOLARエリアから坂道を下ること5分。巨大迷路とスペースシャトルのユル〜い感じのアトラクションの横を抜けると、LUNAR
STAGEに到着です。
ここは「多目的ホール」という名の巨大体育館で、良く言えばミニ幕張メッセか(笑)。
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LUNAR STAGEの裏にあるのが「サイクル温泉ゆ〜サロン」。いやぁ、この自転車の国、ホント何でもあるなぁ。
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そして、ゆ〜サロンの売店で生ビールを注文すると、なんと奥からよく冷えた中ジョッキが登場! しかも自転車マークのオリジナル・ステッカー付き(笑)。まさか、野外フェスでジョッキでビールが飲めるとは・・・。自転車の国、最高です(笑)。
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この売店、普通に19時くらいで閉店かと思ったら、なんと今日は朝まで営業するとのこと。
ちなみに、店員のおばさんに「いつもお客さん来るんですか?」と尋ねたら、「1年に1度、この時だけです」とのことでした・・・。
お祭りの屋台では定番のお好み焼きだけど、野外フェスで売っているのを見たのは初めてだなぁ。もつ煮込みやとろろを売る屋台も珍しい。ライブを観る前から、中ジョッキを飲みながら、完全に宴会モードに突入です(笑)。
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LUNARからの帰りは登り坂になるのですが、美しい照明が道路を照らしていました。単純なライティングだけど、効果は抜群です。
そして、上り坂の途中からはエスカレーターが使えます。野外フェスでエスカレーターとは、不思議な気分ですな。
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すでに18時の開演から2時間近くたってますが、ようやく音楽レポートです(笑)。
今年のフジロックのROVOは最終日明け方のレッド・マーキーという厳しい時間帯だったので、観れなかったのですが、やっぱり年に1度は生で観ておきたい。
どこまでも昇っていくような勝井さんのバイオリンと、疾走するツインドラムの演奏は最高。野外フェスが本当に似合うバンドだ。
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この人、初めて聴きました。ラップトップでのライブで、ミニマルなリズムトラックの上に、ノイズを加えて変化をつけていくスタイル。踊るためのテクノというより、実験的なエレクトロニカか?
今回は全く予習をしていかなかったので、MODEL500がホアン・アトキンスだとは観ている時は気付きませんでした。お恥ずかしい。
メンバーは、ドラムマシン担当、シンセベース、キーボード、そしてキーボードを弾きながら歌うホアン・アトキンスの4人。テクノのライブにしては珍しく、手弾きの演奏を多用していました。ドラムは打ち込みですが、シンセベースもキーボード類もほとんどリアルタイムで弾いていたようです。そのため、演奏が黒い。テクノというより、エレクトロなファンクという感じ。
YMOでお馴染み、マーティン・デニーの“Fire
Cracker”の後には、P-FUNKの“Flash
Light”をカバーしていました。やっぱり黒い!
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SOLARエリアのフードは充実していましたね〜。品揃えもスペースの広さもフジロックのオアシスに負けていない。
まずは鮎の塩焼きを食べようと思ったのですが、大行列だったので、すぐ隣で全く行列のない「黒豚竹の子入り手作りソーセージ」300円とビールを。いやいや、このソーセージ旨かったです。これで食欲に火が点いてしまった(笑)。
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結局、鮎の塩焼きの行列に並び直しました(笑)。小ぶりの鮎2匹で500円。味噌だれを付けて、これも旨い。ビール2本目。
ソーセージと鮎の串にはデポジット料金はありません。
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シメ(笑)は博多ラーメン。黒とんこつラーメンにキクラゲをトッピングして800円(デポジット料100円込み)。野外フェスでタイとか台湾ではない日本のラーメンを食べるのは初めてですが、これはウマイ。豚骨スープと醤油、焦がした油の組み合わせが絶妙。屋台でこんなに本格的なラーメンが食べられるとは思わなかったよ。
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SOLARエリアの地下通路に設置されたortfonのデモ・ブース。他にもRolandやKORGの楽器ブースも出展していましたが、ここは自社の機材のアピールはそっちのけで、オールドスクールなヒップホップ・ビートで大盛り上がり。グラフィティ・アートの実演も行われ、WILD STYLEな空間を創り出していました。ここのブースは居心地よかったですねぇ。
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照明やレーザーの使い方が、メタモルフォーゼは本当に上手ですね。野外での光のシャワー、美しいです。
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今回はまだ牛串を食べていないことを思い出し(笑)、再びフードエリアへ。マジで食い過ぎだ。
しかし、この400円の牛串、くず肉を寄せ集めて成型したのがバレバレ。そりゃ柔らかいわけだよ。イマイチ。
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今年のメタモルフォーゼの目玉の1人だったはずのリッチー・ホーティンですが、満腹のため(笑)集中力無し。どんなプレイだったか、まったく記憶がない。
24時過ぎにEYEのDJプレイを聴くためにPLANETに来たのに、芝生に寝ころんだら、そのまま2時間以上寝てしまった(笑)。起きたらLINDSTROMも終わっていたよ。
3時からのダレン・エマーソンに行く前に、ジョー・クラウセルのNYハウスをチェック、と思ったのだが、なぜかアンビエントみたいなサウンドでDJはスタート。なんだかよく分からないので、LUNARに行こうと歩き出した瞬間、ハウスビートがやっと始まった。随分ジラすなぁ。
ダレン・エマーソンのプレイはエレクトラグライドとかで何度か聴いているけど、今回はベスト・パフォーマンスだなぁ。曲の繋ぎ、フィルターでの低域のカット、全てがピッタリとハマる。夜中の3時だというのに、踊らずにはいられない。
山の中の体育館とは思えない照明とVJプレイも素晴らしい。
アンダーワールドが、このダンス・ミュージックの申し子を失ったことがどれほどの損失か、痛感しましたよ。
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2:20-3:20、3:50-5:10の2回のステージで、たっぷりと演奏時間が確保されていたSTS9。フジロック99でのPHISHみたいな扱いなので、今年のメインアクトだったのでしょう。私は2回目のセットを途中から観ました。
Dr, Per, Key, B, G
の5人組バンドですが、なぜかステージの両端で絵を描いている男が2人います。彼等もメンバーなのでしょうか? 演奏中に絵を完成させるには時間が足りないので、2回のステージが必要なのだったりして(笑)。
ベーシストはシンセベースも併用し、ギタリストもギターを弾かずにシンセ類を操作している時間も多い。同期無しのバンド生演奏なのに、まるでコンピューターで鳴らしているかのようなサウンドが流れてきます。
しかし、ドラムが弱いんだよなぁ。どんなにサウンド・デザインに凝っても、ドラムに迫力がないと、ダンスミュージックとしては致命的なんだよね。
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STS9の演奏の終盤、夜が明けてきました。野外のオールナイト・イベントで、テントで寝ないで夜明けを迎えたのは初めてです。
曇り空だったので、残念ながら朝日は見れませんでしたが、空がだんだん明るくなっていく時間帯は気持ちいいですね。
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朝食です(笑)。朝5時にグリーンカレーを食うなんて、生まれて初めてだよ(笑)。
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教授御大が登場する前に、まずは弟子らしき若手がDJプレイ。あれがジョー・アリワだったのか?
早朝のレゲエの気持ちよさに2時間近く寝てしまい、目が覚めたら、ちょうどマッド・プロフェッサーの巨体がステージを降りて、また弟子のプレイに戻るところでした。
結局、教授がどんなダブミックスの授業をしたのか、分からないまま寝過ごしてしまった(笑)。
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テント脇で、行き倒れている外人を発見。ロープに引っかかって寝ている姿が哀愁を誘う(笑)。
monocismというバンドは全然知らないけど、タカがドラムを叩くのなら、観ないわけにはいかないよな。
ステージに現れたのは、ひ弱そうな若者3人と日本一のドラマー。若者達に比べると、タカが異様にオッサンに見える(笑)。
演奏ははっきり言ってモグワイそのまんま。ボーカルが見た目のとおりにひ弱で、全然歌が聞こえないので、轟音ギターによるインストバンドと言っても過言ではない。やっぱりモグワイだわ(笑)。
タカは十分にプレイを楽しんでいるようでしたが、なんでこんな若僧達と一緒に演奏しているんですかねぇ?
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monocism終了と同時に、オーガナイザーのMAYURI嬢が登場。終了の挨拶とゴミ拾いを観客に呼びかけます。恒例行事ですな。
終了9時までのほんのわずかな時間ですが、今年のメタモルフォーゼ、本当に最後のDJプレイへ。
フリーソウル風の「Saturday Night, Shining, Sunday Morning
〜」という女性ボーカル曲が、この場の空気にピッタリ。これ、徹夜明けのキメ曲なんでしょうな。幸せな気分で全てのプレイが終了。
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テントを撤収し、眩しい日差しの中を駐車場へと向かう。すると、アトラクションは通常営業が始まっていて、家族連れが乗り物に乗って歓声をあげている。徹夜明けの不健康なクラバー集団と、子供の笑い声のギャップがヒドイ(笑)。
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新潟に帰る前に、車で1時間ほどの湯河原温泉へ。徹夜明けの温泉、最高ですなぁ。
帰りは、箱根、御殿場を通って、山梨から中央道へ。しかし、御殿場周辺がひどい渋滞。中央道も、小仏トンネルと談合坂SA付近がこれまた渋滞。帰省ラッシュのニュースで「小仏トンネルを先頭に30キロ渋滞」とかよく聞くけど、本当に渋滞するんですねぇ。
八王子から圏央道〜関越道に入ると、やっと渋滞から解放されましたが、新潟到着は夜7時。温泉に寄った時間を差し引いても、8時間かかりました。やっぱり、伊豆半島は遠かった・・・。