一応フジロッカーを自認している私としては、サマソニは天敵(笑)だったのですが、一度くらいは参加してみるのも悪くはないと思い、土曜はサマソニ、日曜はYMO出演のWORLD HAPPINESSという豪華2本立てで上京することにしました。
ま、セックス・ピストルズを生で観てみるのも面白いかなと思って(笑)。
しかし、チケットを買った後、なんとPerfumeが土曜日に参加することが決定! いや〜、実にラッキーです。
幕張駅を降りると、街はサマソニ一色。フジロックと違い、お客さんは軽装で、手ぶらの人も多い。雨や寒さの心配の要らない夏フェスって楽チンですねぇ。
1日券のお客さんは、マリンスタジアム前にリストバンド引換所があるので、幕張メッセの脇を素通りして海岸方向へ。
道路を挟んで反対側にマリンスタジアムがあるのですね。幕張メッセには夜しか来たことがないので知りませんでしたが、これなら、両会場の移動にもそんなに時間はかかりません。
せっかくなので、まずは海岸にあるビーチ・ステージへ。サイケなゲートも通路のデコレーションもレイブ色が出ていて、都市型フェスの中で、ここだけは雰囲気が違います。
海が見えるロケーションはやっぱり気持ちいいですね。でも、ここの海は毒のあるエイとかがいて遊泳禁止なんだそうです。ま、東京湾にきれいな海を期待してはいかんわな。
ともかく、ここは俺のイメージ通りの夏フェスだ。MCはブライアン・バートン・ルイスだし。
しかし、コロナビールで乾杯したら、ライブは観ずに早くも撤退。ダンスステージでのPerfumeは入場規制が確実なので、早めに行かないとマズイのだ。
消耗戦が予想されるPerfumeの前に、まずはマリンドーム脇のフードエリアで、ロコモコ丼とビールで栄養補給。
ダンスステージには11:40頃に到着。多分、開場してすぐに陣取っていた人もかなりいたと思う。私はPA席前のエリアまで進入しましたが、後方の入口付近は大変な混雑状況。最終的には入場規制がかかり、場内はいつ将棋倒しが起きておかしくない、ギリギリの状態です。
すると、MCの若い兄ちゃんがヒューマンビートボックスをしながら(笑)登場。「これ以上前に詰めると、前にいる奴がマジ死ぬから、中止になっちゃうから!」と観客に訴えますが、君にその口調で言われても真実味が無いのよ・・・。
色々と注意事項を伝えた後、最後に「悪い人もいるから、荷物を置いておかないで!そして何よりも他人の物を盗るな!」えぇ!?確かにフジロックに比べると、サマソニの客の方が質は低そうだが、そこまで言うのか?
ようやく、“GAME”のビリビリ響く低音に乗って3人が登場! しかし“GAME”はイントロだけで終わって、すぐに“チョコレイト・ディスコ”へ。なんと、いきなりこのキラーチューンですか!?
01.チョコレイト・ディスコ
02.love the world
03.Baby cruising love
03.ポリリズム
いや〜、観客の波がうねって、何度も転びそうになったよ。「ディスコ!」のかけ声で腕を上げるのもキビシイくらいの人工密度で、男どもの熱気で呼吸が苦しい。5月の新潟公演での最前列とは違った意味で、身の危険を感じる状態でした。
しかし、持ち時間30分なのに、MCが長すぎる。ロックフェスというアウェーの場所なのだから、TRFネタとか「男の子、女の子、そうじゃない人!」とか言ってないで、もっと曲を聴かせた方が良かったと思うけどなぁ。
Perfume終了後は、幕張メッセ横の野外物販エリアへ。
おっ、Perfumeキャップを売っているじゃないか。即、購入決定(笑)。せっかくなので、セックス・ピストルズのTシャツも買ってしまった。
両者とも今日着なかったら2度と出番はないので、即座に着替え。「NEVER MIND THE BOLLOCKS」のTシャツにPerfumeキャップというアホ丸出しの服装になってしまった(笑)。
正直、Perfumeが終わったら、夜のピストルズまで観たいものが無い(笑)ので、幕張メッセの中のフードエリアでノンビリしてみた。
まずは牛タン塩焼き800円とコロナビール。会場内ではコロナビールのみの販売でした。瓶ビールをカップに注いでくれるのですが、樽出しの生ビールではないのが残念。
ビールを飲んでいると、突然、お立ち台みたいなステージで外人女性ダンサーが踊り始めた。しかも、音楽はデッド・オア・アライブのユーロビートだ(笑)。このエリアはパチンコ屋のブースもあったり、コンセプトがいい加減ですなぁ。
シメに黒みそラーメン600円。食い過ぎか? フェスで普通のラーメンを食べることはあまりないから、ちょっと新鮮。
都市型フェスのサマソニですが、ちゃんとテントエリアもあるのですね。緑に囲まれた海沿いなので、結構気持ちよさそうだ。
観客が全員ワイヤレスのヘッドホンでDJプレイを聴いて踊る、というヨーロッパ発のイベント。無音で観客が踊っているという不思議な光景は文字通りサイレントなディスコ。
面白いのは、DJが2人いて、同時にプレイしているところ。ヘッドホンはA、Bの2つの入力を切り替えられるようになっているので、好みのDJの方を聴きながら踊るのです。もっとも、1人のプレイを聞き続けるより、盛り上がっている方のDJに次々切り替えながら踊るのが、サイレント・ディスコの作法だと思う。これは究極のDJバトルとも言えるのでしょう。
もしかして、iPod世代の若者には違和感ないのかもしれないが、万が一これがクラブの主流になったら困るわ。隣で踊っている人が自分とは別の音楽を聴いているなんて、寂しい話だよ。やはり、スピーカーの重低音を聴きながら踊る一体感こそ、クラブの醍醐味でしょう。
マリンスタジアムの横の仮設ステージ。イメージとしてはフジロックのレッド・マーキーの色違いという感じ。演奏していたのは髭(HiGE)だったと思うが、全く記憶無し。
スタジアムの上から見ると、アイランドステージの向こうには幕張のビル街が見えるので、ここは都市型フェスだと実感します。
昼寝をするためにマリンステージのスタンドの上へ。ベンチに横になって爆睡。いやぁ、野球場のベンチは寝やすくていいですね(笑)。このまま、次のPANIC AT THE DISCOも寝て過ごしてしまった。
スタジアムを出ると、いい匂いがしてきた。マリーンズの屋台でベーコン焼きを買って、またビール。今日、何杯目だろう?
幕張メッセのフードエリアに戻ると、お笑いステージ(?)で、エアギター世界一のダイノジがパフォーマンスしていた。本当にサマソニは何でもありだな(苦笑)。
やっぱりタイのグリーンカレーを食べないと、フェスに来た気がしないのだ。この屋台はフジロックでも常連ですね。
いやぁ、まさか本物の「ジョニー・ロットン」をこの目で見る日が来るとは思わなかった。1曲目は“Pretty Vacant”。
で、1曲目が終わった途端に「Do you want one more?」と観客に問いかけたのには笑った。おい、今始まったばかりだって(笑)。いやいや、そんなファッキンな姿勢こそパンクなのかも? ブッシュ大統領の批判もしていたし。
ま、もちろん結成当時のピストルズとメンバーは同じでも、今は全く別物なんでしょうが、演奏は意外とちゃんとしていた。ジョン・ライドンも観客とコール&レスポンスしたり、意外といい人そう(笑)。自ら「オールド・ジョニー・ロットン」と名乗ったり、酒瓶をラッパ飲みして、でも飲まずに吐き出したり(笑)、道化役に徹しているようでした。
本編ラストは“God Save The Queen”と“E.M.I.”で、アンコールは“Bodies”そしてもちろん“Anarchy In The UK”。
もうお腹いっぱい、ポール・ウェラーに移動しようと思ったら、なんと2回目のアンコールを開始。いやいや、そんな無理しなくてもいいのに(笑)。最後は“Silver Machine”と“Road Runner”という曲だったらしいが、アンコールは1回で十分だったような気が・・・。
屋外に出ると、花火が上がっていました。ホント、サマソニは何でもありだなぁ。
ソニック・ステージに移動すると、ちょうどポール・ウェラーがアンコールを演るところ。THE JAM時代の曲らしく、観客はかなりの盛り上がりで、演奏も熱い。初めてポール・ウェラーを生で観たけど、カッコいい親父だなぁ。
初体験のサマソニでしたが、都市型フェスとはこういうものかと驚きました。フジロックや朝霧JAMとはあまりに違う。自分から動かなくても、色々なサービスを次々と提供してくれる。フジロックが「ロックフェス界の林間学校」だとしたら、サマソニは「ロックフェス界のテーマパーク」って感じでしょうか?
ま、フェスと言うよりも、やっぱり大規模野外コンサートですね。テント持って新幹線に乗るほどの経済力の無い東京の学生にとっては、いいイベントだと思います。
でも、苗場のフジロックでは「音楽は本当に世界を変えられるのかもしれない」と感じる瞬間がありますが、サマソニではそんなマジックは感じられなかった。
俺は一度参加すれば十分かな。Perfumeがマリンスタジアムで2時間演る、とかいうなら話は別だが(笑)。